Copyright(C)長谷川芳典 |
※クリックで全体表示。
|
夏休み頃から岡大の文法経2号館(法文2号館)で何らかの改修工事が行われている。かつて耐震改修工事が行われた1号館と異なり、2号館は耐震基準を最初から満たしていると聞いている。となると、単なる外壁塗装、内装リフォームに限られるのか、それとももっと本格的な工事になるのかは不明。 |
【連載】笑わない数学(2)虚数(13)虚数以外の新しい数(4)三元数ではなくて四元数 昨日の日記の終わりのところで、二元数は本質的には、『複素数体』、『分解型複素数環』、『二重数環』の3種しか作れないとい述べた。しかし、「新しい数」は、二元数を「三元数」、「四元数」、...というように元の数を増やすことでさらに拡張できる可能性がある。 このことについては、YouTubeの解説動画: ●虚数は3つ存在します。 天才数学者が見つけた謎の数『四元数』【ゆっくり解説】 で一般向けに分かりやすく解説されている。それによれば、四元数は、 ●a+bi+cj+dk というように表され、i、j、kは、
『四元数』を思いついたのはウィリアム・ローワン・ハミルトンであり、数学以外にも物理学や天文学の分野で多大な功績を残した天才として知られている。発見の経緯についてはウィキペディアに詳しく紹介されている。 四元数の成す代数系は、1843年にウィリアム・ローワン・ハミルトンによって導入された。これにはオイラーの四平方恒等式(1748年)やオリンデ・ロドリゲス(英語版)の四つの径数を用いた一般の回転のパラメータ付け(英語版)(1840年)などを含む重要な先駆的研究があったが、何れもその四径数回転を代数として扱ったものではなかった。ガウスもまた1819年に四元数を発見していたのだが、そのことが公表されるのは1900年になってからのことである。 さて、ここまでのところで素朴な疑問として生じるのは、なぜ「三元数」を飛ばして「四元数」に拡張されたのかという謎である。解説動画によれば、ハミルトンも当初は「三元数」を探していた。しかし、 ●a+bi+cj、i2=−1、j2=−1 という三元数を作ろうとすると矛盾が発生することが分かった。動画で紹介されていた矛盾を私なりに理解すると以下のようになる。
次回に続く。 |