【小さな話題】10月上旬に視たYouTube動画(1)「ビール予想」、「小谷の蟻」、「ベルの不等式」、「将棋の先後同型と千日手」
10月上旬(一部9月下旬視聴を含む)に視たYouTube動画のメモと感想。今回は、数学、雑学系。なお、直近の感想は
などにあり。
- 【数学】【ビール予想】フェルマーの最終定理を超える数学最大の難問【ゆっくり解説】
ウィキペディアによれば、ビール予想とは、
A, B, C, x, y, z が自然数であり、かつ、x, y, z ≧ 3 であるとき、
Ax + By = C zz
ならば、A, B, C は共通の素因数を持つ。
あるいは言い換えると、
x, y, z を3以上の自然数とするとき、方程式Ax + By = C zz は互いに素となる自然数の解 A, B, C を持たない。
という予想であり、1993年にアメリカ合衆国の銀行家でアマチュア数学者のアンドリュー・ビールが立てたものであるという。フェルマーの最終定理が証明された以上、それを一般化することはそれほど困難ではないように思えるのだが、現時点では証明も反例も見つかっていないらしい。なお、ABC予想は、ビール予想の反例が高々有限個であることを意味しているという。【←ABC定理に基づくフェルマーの最終定理の証明であるなら、この私でもある程度理解できるほどだ】
- 【数学】【小谷の蟻】数学者も発狂した究極のパラドックス!!【ゆっくり解説】
ウィキペディアによれば、小谷の蟻の問題とは、計算機科学者でパズル愛好家の小谷善行が考案した数理パズル問題であるという。元の問題は、
●「立方体を2個つなげた形をしたブロックの、ある頂点に蟻がいる。蟻はブロックの表面を歩いて移動することしかできない。ブロックの表面で、蟻がたどりつくのに最も遠い地点はどこか?」
というものであり、直感的には反対側の頂点だと思われるが実際には少し離れた場所が最遠となる。但し立方体が1個の時には反対側の頂点に一致する。なお、この問題はドナルド・クヌースによって発展させられた。余談だが、クヌースは超現実数に関する本の執筆でも知られている。
- 【物理学】ベルの不等式とは何か(CHSH不等式)
私の能力を超えるレベルであったが、局所性(情報は瞬時に伝わらない)と実在性(測定前から値は決まっている)に関する議論についてはある程度理解できた。引き続き、理解を深めていきたいと思う。
- 【将棋】観る将でも分かる!将棋の未解決問題【最先端研究】
冒頭で先後同型の雁木の局面が紹介された。先後同型は他にも『相掛かり 駅馬車定跡』、『角換わり相腰掛け銀の5八金・5二金型』、『角換わり相腰掛け銀の4八金・2九飛型』、『矢倉の脇システム』、『横歩取り 青野流(の変化)』などがある。こういう場合、同じ局面が4回現れると千日手となり先後を逆にして指し直しとなる。これまでの先後同型では先手が有利となることが多かったが、冒頭の雁木の局面については今のところ先手・後手のどちらのほうが有利になるのか分からないという。
ここからは私の感想・考察になるが、AIの進歩により、将棋の世界ではさまざまな必勝型が明らかになりつつある。もし先手必勝ということが証明されてしまうと、プロ棋士は先手の時にみなその必勝型を選ぶようになりゲームとしての面白味がなくなってしまう。【先手は香車落ちにするといったハンディをつけることで対応できるかもしれないが。】
それはそれとして、もし、先後同型の中に千日手に持ち込めそうな型があったとしたら、後手はそれを目ざして対抗するほかはない。なぜなら千日手になれば自分が先手になって指し直しができるからである。しかしこれでは何回指しても、千日手の繰り返しになってしまいゲームとしての面白味がなくなってしまう。
先手必勝の戦法が発見されることで将棋が自己崩壊してしまうということはおそらく無いと思われるが、何回やっても千日手指し直しになるという形で身動きがとれなくなることは大いにありそうな気がする。
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