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10月30日の朝はよく晴れて、前日に続いて西の空の木星と月を眺めることができた。木星と月は、10月29日の17時14分に3°08′まで接近し、30日の朝には月のほうが天頂に近い位置(東方向)に移動していた。木星を基準にして前日との月の位置を比較すると、月がいかに速いスピードで公転しているのかが実感できる。 |
【連載】笑わない数学(4)結び目理論(1)テイトのシラミつぶしによる分類 10月25日にNHK総合で初回放送された、『笑わない数学 シーズン2』: ●結び目理論 についてのメモと感想。 笑わない数学シーズン2は10月4日以降これまでに、「非ユークリッド幾何学」、「コラッツ予想」、「1+1=2」、「結び目理論」の4話が放送されており、一通り視聴しているのだが、それぞれ奧が深くなかなか感想・考察を記すところまでは至っていない【コラッツ予想についてはすでに執筆】。そんななか「結び目理論」の話題は、比較的コンパクトにまとまっており、難解な数式は別としても、何を狙っているものなのかという大枠は理解できた。 放送ではまず、「結び目理論」を、 ●結び目が同じなのか違うのか、見た目だけから判定する理論 というように位置づけた。1本のロープをいろいろ交差させるといろいろな結び目を作ることができるが、それらを引っ張ったりクシャクシャにしたりすると一見全く異なるように見えてしまう。しかし再び変形させるとピッタリ同じ形になる場合がある。結び目の状態をある種の数式で表した上で「数式を変形した結果が同じになることが、同じ結び目であることと対応づけられれば」理論は完成できる 結び目理論は1870年代、物理学者のウィリアム・トムソンが「原子の正体は何かの結び目のようなものであり、結び目を分類すれば原子を分類することができる」とする説を打ち出したことから始まる。なお、この発想自体は後に否定されたようだが、素粒子のレベルでは、「すべてはヒモでできている」という『超ひも理論』があると聞いている。ネットで検索すると、さらに超弦理論と結び目ホモロジーの統一理論 (解説)というような論文もあり、物質と結び目の間には何らかの関係がありそうな気もするが、素人の私には全く理解できない。 さて、トムソンの友人だった数学者のピーター・テイトは、紐と紐が交わる交点に注目すれば分類が容易になると考えた。テイトは交点の数ごとに考えられる組み合わせをシラミつぶしに調べ上げ、最終的に残る結び目を分類しようと考えた。その結果、
次回に続く。 |