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【連載】笑わない数学(8)ケプラー予想(1)平面充填 11月15日にNHK総合で初回放送された、『笑わない数学 シーズン2』: ●ケプラー予想 についてのメモと感想。なお、『笑わない数学 第2シリーズ』は12月6日放送の『バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想』をもって実質的に終了した【形式上の最終回は12月13日の『素数』の再放送。 さて、このケプラー予想だが、私自身は8月20日の日記に記したように、すでにいくつかの解説動画を通じて、『ケプラー予想』や『平面充填問題』のあらましを学んでいた。そのこともあって、放送内容自体にはあまり新鮮味は感じられなかった。このWeb日記に何度か記しているように、高校数学レベルの話題は、わざわざTV番組で尾形さんが熱く語らなくても、YouTubeの霊夢と魔理沙の解説動画で充分という気もする。 さて、放送ではまず、ケプラー予想が生まれた背景が説明された。これはウィキペディアに記されているように、効率的に砲弾を積む方法が発端となっている。 ウィキペディアによれば、ケプラー予想とは、 等しい大きさの球で空間を充填(パッキング)するとき、平均密度が立方最密充填配置(面心立方)ならびに六方最密充填配置を越えることはない。これらの配置の密度はおよそ74.05%である。というもの。スタジオで尾形さんが実演したように、この詰め方は、まず一段目に球を(稠密六方格子状に)規則的に並べ、二段目には一段目の凹みにはまるように球を(面心立方格子状に)規則的に並べるというものである。これは一見当たり前のように見えるが、数学的にちゃんと証明されたのはわずか25年前、つまり400年もかかってやっと証明された難問であったという。 放送はここで突然、平面充填の話題に切り替えられた。たしかに平面充填も立方最密充填配置もできるだけたくさん詰め込むという点では共通しているが、前者は隙間無くきっちりとはめ込むことであり、後者は隙間の空間をできるだけ小さくすることであり、やや視点が異なるような印象を受けた。 さて、同じ大きさ・形の多角形を平面に敷き詰めるという課題を考える。図形は回転させても裏返してもよいものとする。五角形以外の多角形について分かっているのは以下の通り。
なお、平面充填は、2022年7月のNHK『レギュラー番組への道:あつまれ!数ぽよ。』でも取り上げられており、その時の感想が2022年7月8日の日記にあり。 次回に続く。 |