じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 ウォーキング中、県道の電光板に「白バイ51台出動中!」という表示があった。どのような情報的価値があるのかイマイチ分からないが、おそらく「こんなにたくさんの白バイが見張っているのだから違反をせず安全運転をしてください」という意味を込めたメッセージであろうと思われる。
 念のためBingChatで岡山県内に配備されている白バイの台数を尋ねたところ以下のような回答をいただいた。
岡山県内に配備されている白バイの台数は、正確な数字は公開されていませんが、一般的には都道府県警察本部によって異なります。国費で購入されて各地に配置されているパトカーは、覆面パトカーを除いて全国に約9000台あるとされていますが、白バイの場合はその数よりも少ないと考えられます。一部の情報源によると、岡山県警察交通機動隊には約30台の白バイが配備されている3とのことですが、これは全体の台数ではなく、あくまで一部の隊のみの数です。また、可搬式移動オービスが配備された都道府県は24と、ついに日本全国の半数超えだ?という報道もありますが、これは白バイとは別の取り締まり用の装置です。したがって、岡山県内に配備されている白バイの台数は、正確には不明ですが、おおよそ数十台から数百台程度と推測できます。
 警察がさばを読んで多めに表示している可能性も無いとは言えないが、「51台」というかなり具体的な数になっているところが興味深い。



2023年12月14日(木)





【連載】笑わない数学(8)ケプラー予想(1)平面充填

 11月15日にNHK総合で初回放送された、『笑わない数学 シーズン2』:

ケプラー予想

についてのメモと感想。なお、『笑わない数学 第2シリーズ』は12月6日放送の『バーチ・スウィンナートン=ダイアー予想』をもって実質的に終了した【形式上の最終回は12月13日の『素数』の再放送。

 さて、このケプラー予想だが、私自身は8月20日の日記に記したように、すでにいくつかの解説動画を通じて、『ケプラー予想』や『平面充填問題』のあらましを学んでいた。そのこともあって、放送内容自体にはあまり新鮮味は感じられなかった。このWeb日記に何度か記しているように、高校数学レベルの話題は、わざわざTV番組で尾形さんが熱く語らなくても、YouTubeの霊夢と魔理沙の解説動画で充分という気もする。

 さて、放送ではまず、ケプラー予想が生まれた背景が説明された。これはウィキペディアに記されているように、効率的に砲弾を積む方法が発端となっている。
 ウィキペディアによれば、ケプラー予想とは、
等しい大きさの球で空間を充填(パッキング)するとき、平均密度が立方最密充填配置(面心立方)ならびに六方最密充填配置を越えることはない。これらの配置の密度はおよそ74.05%である。
というもの。スタジオで尾形さんが実演したように、この詰め方は、まず一段目に球を(稠密六方格子状に)規則的に並べ、二段目には一段目の凹みにはまるように球を(面心立方格子状に)規則的に並べるというものである。これは一見当たり前のように見えるが、数学的にちゃんと証明されたのはわずか25年前、つまり400年もかかってやっと証明された難問であったという。

 放送はここで突然、平面充填の話題に切り替えられた。たしかに平面充填も立方最密充填配置もできるだけたくさん詰め込むという点では共通しているが、前者は隙間無くきっちりとはめ込むことであり、後者は隙間の空間をできるだけ小さくすることであり、やや視点が異なるような印象を受けた。

 さて、同じ大きさ・形の多角形を平面に敷き詰めるという課題を考える。図形は回転させても裏返してもよいものとする。五角形以外の多角形について分かっているのは以下の通り。
  • 三角形:どんな三角形でも2枚のうち1枚を逆さにすると平行四辺形になる。その平行四辺形を横に並べると帯状になる。これを上下に重ねていけば平面充填が可能であることが分かる。
  • 四角形:どんな四角形であっても2枚のうち1枚を逆さにすると、向かい合う辺がそれぞれ平行となる『平行六辺形』を作ることができる。これらを並べることで平面充填が可能。
  • 六角形:平面充填可能な六角形は、各辺をa〜f、内角をA〜Fで表すと、以下の3つのタイプに限り平面充填が可能。
    1. a=d、∠A + ∠B + ∠C=360°【四角形を貼り合わせた平行六辺形もここに含まれる】
    2. a=d、c=e、∠A + ∠B + ∠D=360°
    3. a=b、c=d、e=f、∠A + ∠C + ∠E=120°
  • 七角形以上は不可能
さて、残る五角形だが、どのような五角形なら平面充填が可能であるかについてはこれまで完全には解明されていなかった。現在までの経緯は、
  • 古くから分かっていたのは5つのタイプ【カール・オーガスト・ラインハルト(1895-1941)が1918年に発表。
  • 半世紀後の1968年、リチャード・ブランドン・カーシュナー(1913-1982)が1968年に新たに3つのタイプを発表。
  • 1975年には、リチャード・ジェームズVが、新たなタイプを発見。
  • その直後には、数学とは殆ど縁の無い主婦のマジョリー・ライスが4つのタイプを発見。
  • 1985年にはロルフ・シュタインが14個目のタイプを発見。
  • 2015年には3人の学者がスーパーコンピュータを使って15個目を発見。
  • 2017年、可能なタイプは15タイプに限るということをマイケル・ラオが発表【論文は査読中】。
となっている。
 なお、平面充填は、2022年7月のNHK『レギュラー番組への道:あつまれ!数ぽよ。』でも取り上げられており、その時の感想が2022年7月8日の日記にあり。

 次回に続く。