じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 スーパー等のチラシに表示されている商品単価が偶数、奇数どちらになっている場合が多いかを調べてみた。
  • 上段:地域生協のチラシ。『瀬戸まんじゅう 889円』以外はすべて偶数になっていた。
  • 中段:近隣のホームセンターのチラシ。すべて偶数。
  • 下段:生茶の574円以外はすべて「7」で終わる奇数になっていた。
以上の例にもあるように、多くのスーパーの商品の単価は偶数が多いようだ。これは主として「98」というように『大台割れの価格』を設定することで安く見せかけようとしているものと思われる。消費者を惑わさないはずの地域生協までもがこうした価格設定戦略をとっているのは驚きだ。
 なお、一部のスーパーでは「8」の代わりに「7」を多用して、競合店より安いということをアピールしている場合もある【画像下】。
 ↓の記事参照。


2024年5月24日(金)




【小さな話題】スーパー等での支払金額は偶数、奇数どちらになりやすいか?

 最近、素数など、数をめぐる話題を取り上げたこともあり、日常生活の中で現れる数にも関心を持つようになった。今回は、その中の1つ、買物の際の支払い金額は偶数、奇数どちらになりやすいのか?について、私なりに考えたことを記す。

 まず、何はともあれ、手もとに残っている何枚かのレシートをチェックしたところ、以下のようになった。
  • 食品スーパー:427円
  • 地域生協:1151円
  • ドラグストア:908円
  • 地域生協:389円
  • 食品スーパー:975円
  • 地域生協:527円
  • 地域生協:246円
  • 地域生協:246円
  • 食品スーパー:752円
  • ドラグストア:578円
  • 食品スーパー:2197円
  • ドラグストア:2100円
となっていて、経験的には偶数、奇数となる金額はほぼ半々であるように見えたが、数学的にはどうなっているのだろうか?
追記]その後、近隣の食品スーパーとドラグストアの店内を見回ったところ、食品スーパーで999円の1品目、ドラグストアで257円や577円などの数品目があった他はすべて偶数の単価となっていることが確認できた。

 まず、支払金額がどのようにして計算されるのかを考えてみた。
  1. 商品の単価。
  2. 同じ商品についての小計(単価×個数)。
  3. 小計の合計。
  4. 消費税の加算:原則として食品は8%、それ以外は10%。1円未満は切り捨てになるようだ。

 このうち、1.の商品単価は、本来は偶数、奇数が半々になるはずだが、上掲の画像が示すように、スーパーによっては、98円、298円、980円、...というように殆どが偶数になる店が多い。
 2.の「単価×個数」だが、一度に何個購入するのかは商品によって異なる。但し、単価と個数のいずれかが偶数であれば小計も偶数になる。単価を77円とか97円などの奇数に設定している一部の店を除けば、小計が奇数になる確率はきわめて稀であろう。
 3.の「小計の合計」が偶数になるのか奇数になるのかは、商品別の小計値の中に奇数が何個含まれているのかによって決まる。奇数が奇数個あれば合計は奇数、いっぽう奇数の小計が偶数であれば合計は偶数となる。例えば10品目のうち9品目の小計値が偶数であったとしても、残り1品目の小計が奇数であれば、10品目の合計は奇数になってしまう。すべての商品単価を偶数に設定している店は別として、多少なりとも奇数の単価があれば、合計額が偶数か奇数かという確率はおそらく半々になると予想される。

 最後の4.については、よく分からないところがある。現時点でたぶん以下のようになると考えている。まず消費税率10%の場合について考える。
  1. 税引き前の合計金額を「100a+b」円とする。但しbは100円未満の端数で0≦b≦99
  2. 消費税は(100a+b)×0.1=10a+0.1b
  3. 但し1円未満は切り捨てになるので、b≦9の時は除外される。そうすると課税後の1の位が奇数となるのは、
    • 10≦b≦19:端数分に1円の課税
    • 30≦b≦39:端数分に3円の課税
    • 50≦b≦59:端数分に5円の課税
    • 70≦b≦79:端数分に7円の課税
    • 90≦b≦99:端数分に9円の課税
    という場合になる。けっきょく、100円未満の端数0円〜99円の100通りのうち50通りが奇数の消費税加算となる。課税前の「小計値の合計」で偶数・奇数が半々であることと合わせて考えると【但し独立事象ではないが】、税込みの支払金額が偶数・奇数いずれかになる確率も半々になるかと思われる。

  4. 次に食品などで消費税率が8%になる場合だが、この時は0≦b≦12では切り捨てになる。それ以上の、
    • 13≦b≦24:端数分に1円の課税
    • 38≦b≦49:端数分に3円の課税
    • 63≦b≦74:端数分に5円の課税
    • 88≦b≦99:端数分に7円の課税
    という場合に奇数金額が課税されることになり、これは0円〜99円の100通りの端数のうち48通りになるはずだ。

     なお、上記の計算は、端数分の課税額が奇数になるかどうかを分類したものであって、税込みの支払い金額が偶数になるかどうかを示すものではない。例えば税別513円の買物をした時は端数分の課税額は奇数の1円だが、元の金額が513円、500円分に対する課税額が40円なので、(513円)+(端数に対する課税額)+(500円に対する課税額)=奇数+奇数+偶数=偶数で、税込みでは554円という偶数金額の支払いとなる。
     同じことは端数分に対する課税額が偶数の場合についても言える。例えば税別551円の時の端数分の課税は4円となり偶数だが、合計支払い額は595円で奇数となる。

     念のため、端数分への課税額が偶数になる場合を考えると、
    • 0≦b≦12:端数分に0円の課税
    • 25≦b≦37:端数分に2円の課税
    • 50≦b≦62:端数分に4円の課税
    • 75≦b≦87:端数分に6円の課税
    となり、端数が52通りの場合に課税額が偶数となることが分かる。しかしこの中にはbが奇数、つまり課税前の合計金額が奇数である場合が28個で含まれているので、税込みの金額が奇数になるのは28通り。
     いっぽう、端数分が奇数となる48通りのうち、課税前の合計金額が奇数になるのは24通りなので、税込み金額が奇数になるのも24通り。
     ということで、税込みの支払い金額が奇数になるのは52通りとなって、半々より少し多い。あくまで私の計算に間違いがなければの話だが。またこれが正しければ、友だちと2人でコンビニで食料品を買った時「支払い金額が奇数ならばお前、偶数ならば私が払う」という賭けをすればわずかながら有利になる可能性がある。