じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 昨日の日記に宅地に囲まれた田んぼの写真を掲載したが、翌日の朝までにこの田んぼの田植えが完了していた。いまは殆ど機械で行うため、短時間で終わるようだ。
 なお、6月20日の楽天版で、岡大農場の田んぼの一部で田植えの時期を遅らせているように見えると記したが、旧ツイッターの記事によれば6月27日、どうやらこの場所で『米国務省から選抜され、岡大に日本文化を学びに来ているCLSプログラムの留学生たちが、岡大農場で田植えを体験!』というイベントが行われた模様。



2024年6月28日(金)




【連載】あしたが変わるトリセツショー『枕』(3)睡眠の質と枕

 昨日に続いて、6月6日に初回放送された、NHK『あしたが変わるトリセツショー』:

「枕」のトリセツ!痛み・不眠改善SP

のメモと感想。

 放送では続いて、枕の高さを間違えると首に深刻なダメージが生じる可能性が指摘された。仰向けに寝た状態で首を横から眺めたとすると、上の方から椎間板、神経、じん帯がつながっている。
  • 高い枕を使った状態をMRIで撮影すると椎間板で神経が圧迫されていて、「枕ヘルニア」状態となる。
  • 逆に低すぎた場合は、じん帯がゆるみ神経を圧迫。

というように、枕は高くても低くても神経が圧迫される。この「枕ヘルニア」により、首や肩のコリ、頭痛の症状が生じる危険があるという。

 以上をふまえて、山田朱織さんの指導のもとに自分にあった高さの枕の作り方が実演された。
  1. タオルケットを蛇腹折りにして重ね、高さを調節。
  2. 合わせ方として上向き、横向き、寝返りの3ポイントがある。
    • 上向き:のどが苦しくないか、頭の後ろが硬くないか、枕の角が当たらないかをチェック。
    • 横向き:肩を下に敷き込まない(肩が少し前に出る)。この状態で首の圧迫感がないか。おでこ、鼻、あごを結んだ線が床と平行になるように。
    • 寝返り:左右にスムーズに寝返りできるか。肩と腰が同時に動くとよい。
  3. 材料:玄関マットの場合は毛足が短く厚みが1cm程度60cm×90cmがオススメ。硬めの座布団やタオルケットでもOK。
  4. 測る場所はふだん寝る所。玄関マットは三つ折り、タオルケットは重ねて調整する。
  5. 手で押した時の高さは男性は7.5cm,女性は6.0cmが基準。上向き、横向き、寝返りの順で高さを微調整する。
  6. 痛みが強い場合は枕以外の原因もあるので整形外科などの受診をオススメ。
  7. 慣れなくても2週間は使ってほしい。検証でも1日目で慣れたヒトは5人中2人のみだったがその後馴染んで痛みがなくなったという。
  8. 枕は好みで選んではいけない。大切なのは眠りに落ちた後。


 放送の終わりのところでは、睡眠と枕の関係について驚きの新事実が紹介された。それは「枕にこだわりすぎない」ということ。 眠りのスペシャリストで睡眠環境学会会長のの田中秀樹さん(広島国際大学)の指導を受けている大学院生5人に「これで安眠!」という条件を挙げてもらったところ、第一位として挙げられたのは「規則的な睡眠」が3票、「就寝時のリラックス」と「睡眠の長さ」が各1票であり「枕」は含まれていなかった。第二位に挙げられたのも「就寝前のスマホ等」、「就寝時の体温」、「規則的な睡眠」、「就寝時のリラックス」、「睡眠の長さ」でやはり「枕」は含まれず。けっきょく、第16位まで挙げてもらったところでやっと「枕」が2票含まれていた。実際、睡眠の質に関係する要素としては、生活習慣、体温、光、音、日中のストレス、鼻づまり、マットレス、におい、運動などがあり、枕だけの影響を受けているわけではない。
 それを裏付けるかのように、枕についての

Johnson Pang Chun-Yiu, Sharon Tsang Man-Ha, and Allan Fu Chak-Lun (2021).The effects of pillow designs on neck pain, waking symptoms, neck disability, sleep quality and spinal alignment in adults: A systematic review and meta-analysis. Clinical Biomechanics (Bristol, Avon), 85, 105353.

という古今東西の論文のメタアナリシスによれば、枕が首に影響する可能性があるという結果は出ているものの、睡眠の質を高める枕については結論が出ていない。田中秀樹さんによれば、枕が気になり寝てたら脳が興奮状態になり寝れなくなる可能性がある。病院で診断される睡眠障害の要因は60種類以上で枕以外の要因にも目を向けてほしいと指摘しておられた・
 なお、田中秀樹さんオススメの気持ちいい枕の裏ワザは、
  1. 冷やし枕:脳は体全体に命令を出すため熱しやすく、熱をためやすい、冷やすことでリラックスさせる他通気性のいい素材の枕でも良い。
  2. 抱き枕:特にいびきをかく人や妊婦の方にオススメ。
ということで、前半では枕の高さの重要性が強調されていたが、これはあくまで首への影響にかかわるものであり、睡眠の質を高める手段としては限定的であることが結論づけられた。

 ちなみに私は低い枕を使用しており、今のところたっぷりと睡眠できており、特に問題は感じていない。旅行先のホテルなどでは枕が高すぎてなかなか眠れないこともあるが。どのホテルでも低い枕を置いていないのはなぜだろうか。
 なお枕の高さとは関係ないが、私は、ホテルの枕はかなり不衛生ではないかと勝手に思っている。枕カバーは毎日取り替えているとはいえ、布きれ1枚では感染症のウイルスや細菌が残っているような気がしてならない。なのであくまで気休めに過ぎないが、毎回、バスタオルを枕の上にのせて寝ることにしている【夜の入浴後は小タオルで体を拭く】。もっとも新型コロナ流行時を含めて、枕経由の感染拡大という話は聞いたことがない。シーツや毛布カバーに比べて枕が特別に問題があるというわけでも無いのかもしれない。