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猛暑が和らいだ9月以降、半田山植物園へのウォーキングを再開しているが、最初のうちは歩く距離を2/3程度にとどめていた。9月4日はこれをフルコース(7000歩程度)に復活させ久しぶりに頂上展望台から岡山市内、旭川方面の眺望を楽しんだ。 |
【連載】サイエンスzero『“宇宙の夜明け”ジェイムズ・ウェッブ最新報告』(3)重元素の起源 昨日に続いて、8月25日に初回放送された、NHK『サイエンスzero』、 ●ついに見えた!“宇宙の夜明け”ジェイムズ・ウェッブ最新報告 についてのメモと感想。 ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による3番目の発見は重元素に関するものであった。ビッグバンで生まれた頃の宇宙には水素やヘリウムといった軽い元素しか無かった。私たちの体を作っている酸素や炭素など、あるいは鉄などの重元素がいつどうやって作られたのかについてはよく分かっていなかった。 これまでの観測によれば、ビッグバンから20億年以降の宇宙は現在と同様重元素が満ちていることが分かっている。中島王彦さん(国立天文台)はジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡&分光観測という技術により、遠い天体にある元素の種類や量を分析した。そもそも重元素は、星の内部で水素やヘリウムの核融合反応が起こることで作られる。その際最も多く作られるのが酸素であるという。酸素の量はその時代の銀河でどの程度重元素が作られていたかという指標になる。中島さんの分析によると、ビッグバンから7億年〜12億年の時代の銀河では酸素の量は今と変わらない。いっぽうビッグバンから5億年の時代の銀河の酸素の量は今より少なかった。このことから宇宙でたくさんの重元素が作られたのはビッグバンの5億年後から7億年後の間であることが初めて明らかになった。 スタジオゲストの吉田直紀さん(東京大学)によれば、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による発見は今後も続くと期待されるほか、近い将来には暗黒時代も観測できそうだとのこと。そうなれば宇宙の歴史が全部分かるようになる。それは私たちが生きているうちに明らかにされそう。今は宇宙観測の黄金時代と言える。 ここからは私の感想・考察になるが、まず、今回紹介された「初期の銀河の数や明るさ」や「超巨大ブラックホールの数」などは従来の理論では説明できない観測結果になったということであるが、どのように理論を修正すれば理論値と観測値が一致するようになるのかは大いに興味が持たれるところだ。もっとも単に変数を増やして近似の精度を高めるというだけではこじつけになってしまう。理論を修正するということでまだ観測されていない新しい予測が可能になれば面白そうだ。 本日取り上げた重元素の起源についても、なぜビッグバンの5億年〜7億年後に酸素が増えたのかが説明されていなかった。単に滅多に起こらない確率現象が5〜7億年かかった後に質的に異なる現象を偶然もたらしたのか、それともこれだけの年数には何か必然性があったのか、よく分からないところがあった。 今回の放送に関してもう1つ分からない点は、観測対象が「○○億光年れている」ということがそっくりそのまま「○○億年前の天体」として解釈されていることであった。もちろん、もし宇宙の大きさが安定・固定されているならばそれで間違いないだろう。10億光年離れた天体の光が観測者の目に届くのは10億年後のことになる。同じ場所から9億年前に発せられた光は9億年後にすでに観測地点に届いてしまっていて観測者は見ることができない(=1億年前の出来事)。また11億年前に発せられた光は11億年後にならないと観測地点には届かない(観測者にとっては1億年後の出来事)。しかしじっさいの宇宙は常に膨張しているという。そうすると10億光年離れた場所から発せられた光が10億年後に観測地点に到着すると思っていたところが、10億年後には宇宙の膨張によって2地点の距離が15億光年になっていたりするとまだその光は届かないことにならないだろうか。さらに、じつは宇宙は単純に膨張しているのではなく、膨らんだり縮んだりしながら膨張している可能性も無いとは言えない。おそらくこの疑問は、相対性理論をちゃんと学べば解消するのかもしれないが、私には到底理解できそうにもない。 |