じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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 9月26日(木)はよく晴れて、日の出と日の入りの様子を両方眺めることができた。撮影時刻では若干ずれているが、 こよみの上での日の出と日の入りの時刻は、それぞれ5時55分と17時55分(午後5時55分)となっている。全国で、日の出と日の入りの時刻がぴったり一致し、しかもすべて「5」のぞろ目になるという地域は、岡山や香川などの一部の地域に限られる。2006年9月27日の日記参照。


2024年9月27日(金)




【小さな話題】自民党総裁候補と日銀総裁の英語力

 自民総裁選の投開票が9月27日に行われるという。このことに関連して、最近、たまたま、

英語が一番上手い総裁候補は誰だ!?

という興味深い動画を視聴した。

 これまで、総理大臣とか外務、経済関連の閣僚の英語スピーチというと、用意された原稿を棒読み、なかには英単語にふりがなをつけてもらっているのではないかと思うくらい下手なスピーチをする人が少なくないという印象を受けていたが、どうやらこれは相当古い時代に形成された固定観念であったかもしれない。上掲の動画を拝見したところ、最近の政治家の中にはネイティブ並みに流ちょうに英語を話す人、ネイティブの司会者からの早口の質問や意見にも即応できる人、その場の雰囲気に合わせてジョークまで言える人など、驚くほど英語に達者な人が少なくないことが分かった。

 なお、上掲の動画では9名の候補者うち石破氏と加藤氏の2名は英語スピーチの資料が入手できなかったという理由で除かれていた。

 まずは、候補者9名の方々の年齢と略歴を挙げさせていただく。順序は動画の紹介順。一部はウィキペディアで別途調査。
  • 小林鷹之さん:1974年生まれ。東大法学部、ハーバード大学大学院ケネディ・スクール修了。財務省。在アメリカ日本大使館出向。
  • 林芳正さん:1961年生まれ。東大法学部、ハーバード大学大学院ケネディ・スクール修了。民間企業。
  • 上川陽子さん:1953年生まれ。東大教養学部、ハーバード大学大学院ケネディ・スクール修了。研究所。
  • 河野太郎さん:1963年生まれ。ジョージタウン大学。民間企業。
  • 小泉進次郎さん:1981年生まれ。関東学院大学。コロンビア大学大学院。
  • 高市早苗さん:1961年生まれ。神戸大学経営学部。アメリカ議員の個人事務所勤務。大学教員。
  • 茂木敏充さん:1955年生まれ。東大経済学部、ハーバード大学ケネディ行政大学院修了。民間企業。
  • 石破茂さん:1957年生まれ。慶應義塾大法学部。民間企業。
  • 加藤勝信さん:1955年生まれ。東大経済学部。大蔵省。
こうして挙げてみると、9名中7名はアメリカの大学や大学院での留学や職歴があり、英語のスピーチが上手であるのもうなずける。なお、個々の候補者の英語力の評価については、私なんぞがコメントする立場にはない。リンク先の動画、あるいは関連する別の動画での評価を参考にしていただきたい。

 YouTube動画でもう1つ注目したのは、日銀の植田総裁の英語力である。私が知る限り、日本語の会見ではボソボソと喋るだけのような印象であったが、
などの動画を拝見すると、相当な英語力をお持ちであることが分かった。なおこちらの動画によれば、植田さんは子どもの頃からラジオで英語の放送を聞いていたという。

 ちなみに、以上に挙げさせていただいた9名+1名(植田さん)の中で私と同学年であったのは1953年生まれ(早生まれ)上川陽子さん、植田総裁は1951年生まれなので1つ年上、それ以外の方はすべて年下ということになる。
 あくまで私の主観であるが、私が高校生の頃はまだベトナム戦争が続いており(〜1975年)、アメリカ軍の残虐行為や反戦運動の広まりなどが伝えられているなか、アメリカに留学することは憧れの目標にはなりえなかったような記憶がある。また私が高校から大学に入った頃は、受験英語と言えばもっぱら英文和訳と英作文が中心であり、またカセットテープがようやく普及し始めた頃のため、ヒヤリングやスピーキングに時間を費やすことはなかなかできなかった。1960年以降に生まれた人であれば、英語学習の手段や中身はだいぶ変わったものになったと推測される。

 以上、スピーチを中心とした「英語力」の話題を取り上げてきたが、英語を流暢に喋ったり、ネイティブの司会者・記者などからの質問に即応できるということだけで評価・比較していいかどうかは別問題である。国際会議では英語を母語としない参加者も多数おられることからみて、英語でのスピーチは、聞き取りやすく正確であること(ネイティブに似ているかどうかよりも、単語としてハッキリ聞き取れること)が肝要。また、ネイティブにしか通用しないジョークとか、慣用句を多発してしまうと、英語が母語でない参加者との交流がうまくできなくなる恐れもある。
 このほか、AIの進歩により機械翻訳の精度が抜群に向上している中で、AIでは太刀打ちできない英語力としてどういう側面があるのかも検討していく必要がありそう。英語力が向上するに越したことは無いが、英語の勉強のために費やす時間を別の科目の勉強に振り替えたほうがプラスになる場合もあるだろうし。