じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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2024年9月28日(土)





【連載】チコちゃんに叱られる! 「ギャル」「生ものが好き」

 9月27日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。この日は、
  1. 「ギャル」ってそもそもなに?
  2. なぜ日本人は“生”が好き?
  3. ZAZY天才化計画進捗状況
  4. なぜサウナは気持ちいい?
という4つの話題が取り上げられた。本日はこのうちの1.と2.について考察する。

 まず1.の「ギャル」だが、放送では、「サーフィン界わいの女の子たち」が正解であると説明された。メディア環境学者の久保友香さん&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 「ギャル」はgirlの俗語として使われていたことばで若い女の子のことを指していた。
  2. 日本では1978年に『GALS LIFE』という若者向けの雑誌が出たことや、その翌年に沢田研二の『OH!ギャル』という歌があったことで広まったと考えられる。
  3. 外見のスタイルの意味としての「ギャル」広まったのは1980年代半ばで湘南のサーファー界わい。当時はインターネットもなく海外のビーチファッションを着こなすのは海外旅行や留学の経験がある人など、限られた人しかなれない存在だった。
  4. 90年代になって2つの「ギャル」革命があった。1つめはストリート雑誌。流行に敏感な渋谷女子がビーチスタイルをしてる様子が紹介されイケてるギャルと評価されるようになった。2つめはプリントシール機の登場。自分が写ったシールを交換するのが大流行。これらをきっかけに情報が広まったことで「ギャル」は誰でもなれる存在に進化した。
 放送では続いて各年代別のギャルの特徴が紹介されたが、私にとっては別の世界の出来事であり省略させていただく。もっとも、あと10年も経つと、孫娘たちがみんなギャルになってしまう可能性がある。その時まで長生きできていれば、の話ではあるが。

 次の2.の「なぜ日本人は“生”が好き?」という話題であるが、放送では、「危険に挑み続けてたどりついた最高のごちそうだから。」が正解であると説明された。
 食文化史研究家の永山久夫さん&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. 「生」とついてると新鮮、やわらかい、おいしいといった良いイメージがあるが、外国人はそうではない。
  2. 外国人留学生に聞くと、「生」で食べる習慣が無い、バクテリアがたくさんいるなど、「生=危険」というイメージのあることが分かった。
  3. 魚や卵を生で食べると食中毒の危険性が高くなるが、日本は島国なので他の国に比べて新鮮な魚を食べる機会が多かった。
  4. 仏教の教えに基づき魚と野菜が中心の食生活だった日本では新鮮な魚を生でおいしく食べる方法が追及されてきた。
  5. 青森県の三内丸山遺跡の調査で排泄物から寄生虫の卵が見つかったことで、すでに火を使っていた縄文人が魚を生で食べていたと考えられている。
  6. 奈良時代の日本書紀にも「はまぐりを膾(なます)にして献上した」とある。膾は生の肉や魚を殺菌作用のある酢につけた料理で最古の和食ともいわれる。
  7. わさびやしょうゆの殺菌・抗菌作用でなま物を安全に食べる挑戦をし続けた。その傑作がにぎりずしで酢、わさび、しょうゆを使う。
  8. 昔はどこの家にも庭があり殺菌・抗菌作用のある山椒、野蒜、紫蘇が植わっていてなま物を安全においしく食べるために作っていた。
  9. 日本では仏教の教えに基づき長らく卵を食べることが避けられていたが江戸時代になると海外から卵をおいしく食べる文化が伝わり食べるようになった。「生たまご 醤油の雲に 黄身の月」という川柳も残っている。
  10. 冷蔵庫の登場で広くおいしさが伝わるようになる。その後流通が発達し新鮮な食材が届くようになりより安全においしく食べることが可能になった。
  11. 日本人の生好きを決定的にしたのが生ビール。ビールはもともと熱を加えて酵母の発酵を止めていたが熱処理をせずにろ過で酵母を取り除いたビールのことを日本では生ビールという。缶ビールや瓶ビールも殆どは熱処理をしていないので、分類としては生ビールに入る。
  12. 本来「生」とは加熱していないことを指すことばだったが「生」=おいしいのイメージが浸透したことで加熱していても「生」と名付ける商品が誕生するように。2000年ごろに一大ブームになった生チョコ、2007年ごろに田中義剛さんの牧場から人気に火がついた生キャラメルなど。
  13. 食パンは焼いているので「生」ではありえないが、トーストしなくてもそのまま食べてもおいしいという意味で「生食パン」と呼ばれている。

 ちなみに、私自身はビールは全く飲まないし、生卵は旅館の朝食で出された時くらいいか食べない【←数年に一度程度】。強いて挙げれば生チーズ(クリームチーズ、カッテージチーズ、モッツァレラ)が好みだが、高価であったり乳脂肪が気になったりするためあまり食べたことが無い。生ハムも好きだが、添加物が気になるので滅多に食べない。もっとも、回転寿司はそれなりに食べているので、生を口にする機会は結構多いかもしれない。

 上掲の解説の中で、殺菌・抗菌作用のある野菜や、酢、わさび、醤油などに言及されていたが、生ものと一緒に食べるだけで食中毒が避けられるとは考えにくい。そういった野菜を摂取すること自体が免疫力を高めている可能性はあるが。

 次回に続く。