じぶん更新日記・隠居の日々
1997年5月6日開設
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カズレーザーと学ぶ。」の、

●血液型と出身県でわかる!最新タイプ別の病気リスク&太りやすい体質の県

という放送の前半で、当初理解できなかった3点。↓の記事参照。



2024年10月25日(金)




血液型と出身県で病気リスクや体質が分かるか?(8)「O型抗原、O型抗体」についての疑問/ウイルスにも細胞膜?

 昨日に続いて、「カズレーザーと学ぶ。」で9月10日に初回放送された、

●血液型と出身県でわかる!最新タイプ別の病気リスク&太りやすい体質の県

についてのメモと考察。

 昨日までの日記で今回の放送の前半部分【深瀬浩一さん(大阪大学・副学長)の講義】をすべて取り上げたところであるが、1度や2度の録画再生では理解できなかった点が3つほどあった【上掲の画像参照】。
  1. 画面上:「ピロリ菌はO型抗原と結合しやすい」とあったが、A型抗原とB型抗原のほかにO型抗原があるのか?
  2. 画面中:「ウイルスは同じ血液型からうつされやすい」という話題で、O型者のO型抗体が他の血液型者のウイルスを攻撃すると解説されていたいが、A型抗体とB型抗体のほかにO型抗体があるのか?
  3. 画面下:「ウイルスに感染しにくいO型、感染しやすいAB型」という話題で、「細胞膜を持つウイルスは全て同じ」と解説されていたが、ウイルスは細胞ではないはずなのになぜ細胞膜を持つウイルスがあるのか?
 このうち、1.の疑問については10月22日の日記で解決済。O型抗原は、殆どすべての血液型者が持っており、ABO型のヒトのもつ糖鎖抗原は、正確には、A型(A抗原、H抗原)、B型(B抗原、H抗原)、O型(H抗原)、AB型(A抗原、B抗原、H抗原)となる。つまりO型抗原(H抗原)は他の血液型者にも存在するが、O型抗原は他の血液型に比べて特に多く存在するため、O型者はピロリ菌が結びつきやすくなるというものであった。

次の2.の抗体についてもこちらに分かりやすい解説があった。
それぞれの型のヒトの血液中に存在する抗血液型抗体はカッコのようになります。A型(抗B抗体)、B型(抗A抗体)、O型(抗A抗体、抗B抗体の両方存在)、AB型(抗A抗体も抗B抗体もなし)。H型抗原にする抗H抗体を作る免疫細胞は、免疫細胞の成熟過程で除かれます。自己抗原に対する抗体を作る免細胞は除去される仕組みがあるからです。同じように、A型のヒトには、抗A抗体を作る免疫細胞はありませんし、B型のヒトには、抗B抗体を作る免疫細胞はありません。
この解説から推察すると、今回の放送では「O型抗体がA型ウイルスやB型ウイルスを攻撃するのでO型者はウイルスには感染しにくい」と説明されていたが、そうではなくて、O型者が持つ抗A抗体、抗B抗体の両方がウイルスを攻撃するためと考えるべきではないかと思われた。
 上記の解説に記されているように、抗原と抗体の間にある「自己抗原に対する抗体を作る免細胞は除去される仕組み」はとても重要ではないかと思われる。また「H型抗原にする抗H抗体を作る免疫細胞は、免疫細胞の成熟過程で除かれます」という点も重要。これらの仕組みが無いと、自分の抗原に対する抗体が次々と作られてしまって免疫システムが自爆してしまうことになるだろう。

 なお、リンク先にはさらに興味深い記述があった。
...なぜ、A型のヒトが一回もB型の血液を輸血していないのに、大量の抗B抗体を血中に持っているのでしょうか。あるは、なぜ、B型のヒトが一回もA型の血液を輸血していないのに、大量の抗A抗体を持っているのでしょうか。それは、私たちの環境に存在する種々の細菌のためです。ヒトは日常生活で種々の細菌と共生し、かつ食物と同時に腸内に取り入れています。細菌の細胞壁には、ヒトABO式抗原と類似の糖鎖構造を有するものがあります。こうした細菌の表面抗原と私たちの免疫系が反応して、A型抗原のないヒト(B型)は、抗A抗体を産生し、B型抗原のないヒト(A型)は抗B抗体を、O型のヒトは、抗A抗体と抗B抗体をつくります。このような抗体は自然抗体と呼ばれ、多くの場合はIgMと呼ばれるクラスの抗体です。なお、AB型のヒトには抗A抗体や抗B抗体もないので、細菌に対する免疫力が劣るかというと、そんなことはありません。細菌表面には他の抗原も存在しますので、これらの抗原に対する抗体が作られて、感染防御に役立っています。


 最後の3.についてはCopilotに「細胞膜を持つウイルスはありますか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
はい、細胞膜を持つウイルスは存在します。これらは「エンベロープウイルス(エンベロープ付きウイルス)」と呼ばれます。エンベロープは宿主細胞から奪った脂質二重層で構成されており、ウイルスが宿主細胞に侵入するのを助けます。代表的なエンベロープウイルスには、インフルエンザウイルス、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)、ヘルペスウイルスなどがあります。
このエンベロープがあることで、ウイルスは環境の変化に対する抵抗力が高まり、感染力も強まることが多いです。他に知りたいことがあれば教えてくださいね。
さらに「ウイルスは細胞ではないのになぜ細胞膜を持つことができるのですか?」と尋ねたところ、
エンベロープウイルスが細胞膜を持つのは、実は宿主細胞の一部を利用しているからです。ウイルス自身は細胞ではありませんが、宿主細胞から新しく作られる際にその細胞膜を奪い取り、自身のエンベロープとして利用します。このエンベロープはウイルスが宿主細胞に入り込むのを助け、免疫システムから隠れる手段にもなります。
という回答をいただいた。
 ウイルス感染の仕組みについては以前こちらの連載で詳しく取り上げたことがあったが、加齢に伴い、過去に執筆した内容をすっかり忘れてしまっている場合があるようだ。ま、すっかり忘れてしまうということには、常に新しいことを学んでいるような気持ちになれるというメリットもあるが。

 次回に続く。