じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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1月4日夕刻の岡山は雲が多かったものの、旧・京山タワーと夕日がピッタリ重なる『京山皆既日食現象』を眺めることができた。 |
【連載】NHK『映像の世紀バタフライエフェクト 戦後日本の設計者 3人の宰相』(1)戦後と明治初期についての「昔」感覚/3人の宰相は吉田、岸、田中か? 2024年12月30日に初回放送された表記の番組を録画・再生で視聴した。 磯田道史さんが登場しておられるような歴史物の番組はけっこう頻繁に視ているのだが、戦後政治はあまり視聴した記憶が無い。というか、歴史的評価というのは100年、200年経った後で定まってくるものであり、今回取り上げられた吉田茂、岸信介、田中角栄という3人【以下、人物についての敬称はすべて略】については、まだまだいろいろな見方があるのではないかと思う。 とはいえ、「江戸時代は昔、戦後は最近の時代」という感覚はもはや高齢者のみがいだく特殊な感覚なのかもしれない。じっさい、2025年から見れば戦後の始まりである1945年は80年も前の出来事となる。1952年生まれの私から見れば、誕生日の80年前は1872年であり、明治初期のいろいろな改革が行われていた時代であった。物理的な時間だけで対応させるならば、2025年に生まれた人から見た1945年の戦後は、1952年に生まれた私から見た明治初期と同じくらいに昔の時代ということになる。 さてこの番組では戦後日本の設計者として、吉田茂、岸信介、田中角栄の3人が挙げられたが、これは妥当な選出だろうか。最大限に評価したとしても、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人ほどには貢献していないように思われる。念のためCopilotに「戦後の日本に影響を与えた政治家3人を挙げてください。」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。 さらに、「外交面に限ると、吉田茂、田中角栄、安倍晋三以外にどういう政治家が挙げられますか?」と尋ねたところ、 という3人が挙げられた。今回の放送で取り上げられた岸信介は含まれていなかった。 ま、戦後の日本は議会制民主主義をそれなりに貫いてきたことの証しとして、特定個人が政治や経済をリードする程度は限られており、根本的に日本の進路を変えたというところまでは至っていないようにも思う。じっさい、上に挙げられている田中角栄、安倍晋三、小泉純一郎はそれぞれ特徴のある経済政策を実行したが、数十年以上の物差しで見ると根本的に何かを変えたというわけではない。政治に主導された部分は微々たるものであって、大部分は世界的な変化に応じた対症療法のようなものであったという気もする。 ということで元の話題に戻るが、日本の総理大臣の多くは世論から批判されて辞めることが多いため、どうしてもネガティブな印象が残りやすい。しかし、10年、20年、...50年と経つと良い面もそれなりに注目されるようになる。じっさい、田中角栄なども首相を辞任した当時は金権腐敗、ロッキード事件などで散々に批判されたが、Copilotの「地方創生とインフラ整備に力を入れた」という評価も、環境破壊などの悪い面ばかりでは無かったかもしれない。 私自身、歳をとったことで人間が丸くなり、好き嫌いだけで一面的な見方をするのではなく、ある程度ではあるが、政治家の良い面と悪い面を両方から評価できるようになった。そういう視点から、これを機会に、放送で挙げられた吉田茂、岸信介、田中角栄について、
次回に続く。 |