じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【連載】NHK『ダークサイドミステリー 神秘の古代ミステリー 徹底検証!日本・ユダヤ同祖論(1)日本とイスラエルの共通性は偶然の一致か? 2024年11月29日に再放送された表記の放送についてのメモと感想【初回放送は2023年7月13日】。 私自身は『日本・ユダヤ同祖論』はこれっぽっちも信じていないが、なぜ一部の人たちがこうしたトンデモ説を信じてしまうのか、また「真実だと思わせるトリック」としてどのようなものがあるのか、という点には大いに興味がある。こうしたダマシのトリックを知っておくことは、健康食品の誇大な宣伝、高額な民間療法、脳科学モドキや進化生物学モドキのトンデモ理論を打ち破る上でも大いに有用ではないかと思う。 放送の冒頭ではまず、日本とユダヤの共通性を示唆するような事例がいくつか紹介された。 さらに、
ここで再び『ソーラン節』が取り上げられた。ヘブライ語では「ヤーレン」は「神に喜び」、「ソーラン」は「一人歌う者」という音声として聞き取れる。 さらに『かごめかごめ』の日本語歌詞をヘブライ語のよく似た音声に対応させて翻訳すると、 ●誰が守っているのか どうか守り、安置せよ。そして! 火をつけろ! 燃やせ! 神の社を失くしてしまえ! お守りの岩からは、水が湧き 荒地は生き返り、支配された。 という意味になる【こちらに別訳あり】。歌詞はモーゼの十戒を納めた『失われたアーク』のありかを示した暗号になっているとも言われる。 『かごめ』の「籠目」の模様は六芒星(ダビデの星)を表しているとも言われた。 六芒星と同じ模様は山梨県笛吹市の甲斐国一宮・浅間(あさま)神社の成就石の中央にも刻まれている。六芒星の模様は、それ以外の由緒ある神社でもいくつか刻まれているという。 放送では続いて京都市太秦にゆかりのある秦氏(はたうじ)が紹介された。
放送では続いて「神社の鳥居はなぜ赤いのか?」について、旧約聖書の中に ●古代イスラエルの民は神からの災いを防ぐため、玄関の周囲を羊の血で赤く染めた という意味の記述があること、また神社の狛犬は犬ではなくライオンであり、古代イスラエルの玉座の脇にある2頭のライオンに由来すると紹介された。 ここまでのところでいったん私の感想・考察を述べさせていただくが、以上に挙げられた日本とイスラエルの共通性は、それなりに説得力があり、地道に証拠を積み重ねていかないと反論はなかなか難しいように思われる。 もっともあらゆる議論について言えることだが、自説に合致する事例をいくらたくさん集めてもそれだけでは証明されたことにはならない。自説に合致する事例と合致しない事例を公平に集めた上で、偶然の一致とは言えないことを示さなければちゃんと証明したことにはならない。 とりわけ、シンプルな図形・デザインについては偶然の一致の可能性が高い。例えば日本の菊花紋に似たデザインは、東トルコやイラン、パキスタンでも見かけたことがあるが、だからといってこれらの地域に住む人々が日本人と同祖というわけではあるまい。また、五芒星の模様が安倍晴明のマークとモロッコの国旗で共通しているからと言って同じルーツがあるとは到底言えない。 発音の類似性については放送の後半でも指摘されているように、偶然に一致した可能性がある。YouTubeで「国歌空耳」を検索するといろいろな国歌の歌詞が日本語で歌われているように聞こえることがある。日本語の発音は「母音」または「子音+母音」という比較的シンプルな組み合わせてになっているため、その気になればたいがいの言語では日本語と共通した言葉を見つけることができる。 次回に続く。 |