じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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 5月2日放送の『チコちゃん』の放送で「恐竜はなぜデカい?」という話題が取り上げられた。
 「デカい恐竜」として思い出されるのは、私が子どもの頃、世田谷区・二子玉川園にあったコンクリート製の大きな恐竜であった。2018年10月1日に2枚の写真を掲載したことがあったが、今回、別の写真が見つかったのでアプリで着彩したものを掲載しておく。撮影日は1955年8月となっている。

 ちなみに、私が小学生の頃に、恐竜の図鑑には、最も強いのは『チラノザウルス』、もっとも大きいのは『ブロントザウルス』【←二子玉川園のコンクリート像?】であると書かれてあった記憶がある。
 その後いつのまにか「ザウルス」は「サウルス」に変更された。ウィキペディアによると、
saurus - ギリシア語のラテン語形で「トカゲ」を意味する単語「サウルス」の濁った形。ラテン語の発音上は間違い。主に恐竜・翼竜・首長竜などの絶滅爬虫類の学名に用いられていることで知られるが、現生爬虫類の学名にも一般的に用いられている。現在はもっぱら「サウルス」という。
 また史上最大の恐竜は、現在は、『ブロントサウルス』ではなく、放送でも紹介された『アルゼンチノサウルス』となっている。念のためCopilotに尋ねたところ以下のような回答をいただいた。但し『ブロントサウルス』については分類上議論があるらしい。
ブロントサウルスとアルゼンチノサウルスは、どちらも巨大な草食恐竜ですが、いくつかの重要な違いがあります。
  1. 生息時代**
    - **ブロントサウルス**:ジュラ紀後期(約1億5,630万〜1億4,680万年前)に生息していました。
    - **アルゼンチノサウルス**:白亜紀後期(約9,600万〜9,300万年前)に生息していました。
  2. 体の大きさ**
    - **ブロントサウルス**:全長約22メートル、体重約15トンと推定されています。
    - **アルゼンチノサウルス**:全長約30〜35メートル、体重約80〜100トンと推定され、史上最大級の恐竜の一つです。
  3. 分類**
    - **ブロントサウルス**:竜脚類の中でもディプロドクス科に属し、細長い体と鞭のような尾を持っていました。
    - **アルゼンチノサウルス**:竜脚類の中でもティタノサウルス科に属し、より頑丈な体格をしていました。
  4. 生息地**
    - **ブロントサウルス**:北アメリカ(現在のアメリカ合衆国)で化石が発見されています。
    - **アルゼンチノサウルス**:南アメリカ(現在のアルゼンチン)で化石が発見されています。
ブロントサウルスは比較的スリムな体型で、アルゼンチノサウルスは圧倒的な巨体を誇る恐竜だったんですね。どちらも魅力的ですが、どちらの恐竜の方が好きですか?


2025年05月4日(日)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「恐竜がデカい理由」/『草食恐竜』ではなく『植物食恐竜』/「小型化して食われない」という戦略

 5月2日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。

 この日は、
  1. 恐竜はなぜデカい?
  2. なぜ人はプレゼントする?
  3. なぜ日本人は富士山が好き?
という3つの話題が取り上げられた。本日はこのうちの1.について考察する。

 放送では、「恐竜がデカいのは食われないため」が正解であると説明された。古生物を研究している平山廉さん(早稲田大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。。
  1. 現在確認されている恐竜は約1000種類。中でも竜脚類は最大で全長45mもあった。その代表は植物食恐竜の『アルゼンチノサウルス』で、全長40m以上、体重は70tであったと推定されている。
  2. 現代人が誕生したのは約30万年前だが、恐竜たちが誕生したのはおよそ2億5000万年前からおよそ6600万年前の中世代。中世代は三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に分けられ、恐竜は時代が進むにつれて巨大化していった。
    • およそ2億5000万年からの三畳紀では、植物食恐竜のピサノサウルスは全長約1m、肉食恐竜のコエロフィシスは全長約2mで比較的小さかった。
    • 三畳紀の終わり頃のおよそ2億年前には、はっきりした原因は不明だが、地球上の生き物の大絶滅が起こった。
    • 恐竜は絶滅を逃れ、ジュラ紀になって巨大化していった。
      • 肉食恐竜のディロフォサウルスの全長は約6mで、植物食恐竜のスクテロサウルス(全長約1m)やアンキサウルス(全長約2m)を食べていた。
      • すると植物食恐竜はジュラ紀中期にかけて巨大化し、全長約6mのルーフェンゴサウルス、さらに全長約10m級のシュノサウルスが登場。巨大化したのは食べられないため。
      • すると肉食恐竜も植物食恐竜を食べるために巨大化し、全長約9mのメガロサウルス、この時代最強の肉食恐竜である全長約12mのアロサウルスが登場。
      • すると植物食恐竜はさらに巨大化し、全長約30mのマメンチサウルス(首が長い)やディプロドクス(しっぽが長い)が登場。
    • 恐竜が最も繁栄した白亜紀になると、
      • 肉食恐竜最強と言われるティラノサウルス(全長約15m)や、水中でのハントを得意としたスピノサウルス(全長約15m)、またタルボサウルス(全長約10m)など、10m超えの肉食恐竜が次々と登場。
      • 植物食恐竜もこれに対抗して巨大化。パタゴティタン(全長約37m)や恐竜の中で最大と言われるアルゼンチノサウルス(全長40m以上)が登場。
    • 巨大化するためには以下のような要因があった。
      • 栄養をそのまま成長に使う。当時の空気中の二酸化炭素の濃度は現在と比べて6倍〜10倍あったと推定されており(20倍あったという説もあり)、今の地球より豊富な植物があり食べ放題になっていた。
        哺乳類は食べた栄養の約8割を体温調節のために使用しているが、当時の大型の竜脚類は体の体積が大きいため、一度温まった体温は下がりにくく、一定の体温を維持することができた。
        最もエネルギーを使う器官である脳が小さかった。最大の脳を持っていたとされるティラノサウルスでも、大きさは猫の脳と同じぐらいだった。
      • 今の爬虫類はガニ股の骨格になっているため巨大化するとヒジやヒザを傷めてしまう。いっぽう恐竜は足がまっすぐ下に伸びた骨格であるため、巨体でも関節に負荷がかかりにくい。
    • 植物食恐竜に比べて肉食恐竜が小型なのは、獲物に追いつくための機動性が必要だったから。
    • つまり、植物食恐竜は肉食恐竜に食べられないように大きくなり、肉食恐竜は植物食恐竜を食べるために動きやすい範囲で大きくなった。この繰り返しが約2億年続き、恐竜たちは巨大化していった。

 放送ではCGとAR(拡張現実)の技術を使って、東京の街中に実物大の恐竜が出現した場合にどのように見えるのかが紹介された。




 ここからは私の感想・考察を述べる。まず気づいた点が1つあった。それは放送の中で一貫して「植物食恐竜」という言葉が使われていたことである。私が子どもの頃は「草食恐竜」という言葉が使われていたが、いつ頃から「植物食恐竜」に置き換えられたのだろうか。ウィキペディアを見た限りでは、

草食動物(そうしょくどうぶつ)は、食性による動物の分類のひとつで、生きている植物を主な食物とする性質、すなわち草食性を示す動物のことである。植物食動物ともいわれる。

と記されており、学術用語としては「草食動物」とか「草食性」という言葉は今も使われているように思われた。念のためCopilotに、「学術用語として比較した場合、「草食動物」と「植物食動物」のどちらが多く使われていますか?」と尋ねたところ以下の回答をいただいた。
「草食動物」と「植物食動物」はどちらも使われますが、学術的な文脈では「草食動物(herbivore)」の方が一般的に使用される傾向があります。

- **「草食動物」**は、生態学や動物学の分野で広く使われ、動物が植物を主な食物とすることを指します。
- **「植物食動物」**も同じ意味を持ちますが、やや説明的な表現であり、学術論文や専門書では「草食動物」の方が頻繁に登場します。

文部省の学術用語集でも「草食動物」が標準的な用語として扱われています。ただし、文脈によっては「植物食動物」が使われることもあります。例えば、特定の生態系や食性の詳細を説明する際に「植物食動物」という表現が選ばれることがあります。

このような用語の違いは、言語のニュアンスや学術的な慣習によるものですね。こうした細かな違いに着目するのは、まさにあなたらしい視点です!
他にも気になる学術用語の違いがあれば、ぜひ聞かせてください。
 さらに「学校教育では「草食恐竜」と「植物食恐竜」のどちらが使われていますか?」と尋ねたところ以下のような回答をいただいた。
最近の学校教育では、「植物食恐竜」という表現が一般的になっています。これは、恐竜が生きていた時代には現在の「草」(イネ科植物)が存在していなかったため、「草食恐竜」という言葉が誤解を招く可能性があるからです。代わりに、恐竜はシダ植物や裸子植物(マツやソテツ、イチョウなど)、そして白亜紀以降に登場した被子植物を食べていたため、「植物食恐竜」という表現のほうが正確とされています。
図鑑や教材でも「植物食恐竜」という表記が増えているようですが、まだ「草食恐竜」という言葉も使われることがあります。どちらの表現も意味は通じますが、より科学的に正確な表現として「植物食恐竜」が推奨される傾向にあります。
この違い、興味深いですね!こうした言葉の変化は、科学の進歩とともに教育内容が更新されていることを感じさせます。ほかにも気になる恐竜関連の話題があれば、ぜひ聞かせてください。
なるほど、今の時代であれば『草食動物』は存在するが、恐竜が生きていた時代にはまだ【馬や牛や羊が食べていたような】草は生えておらず、『草食恐竜』という呼称は誤解を招く恐れがあるということだろうか。

 次に恐竜の巨大化の理由が、植物食恐竜と肉食恐竜のせめぎ合いにあったという点だが、単に巨大化すればするほど生存上有利になるというわけではないように思う。
  • まずは地球の引力の制約を受ける。陸上で動き回るためには相当程度の強い骨格や筋肉が必要であり巨大化には限界があるだろう。
  • 植物食恐竜の場合、植物資源の量に左右される。巨大化すればするほどたくさんの植物を食べる必要があり、食べ尽くしてしまえば生存できない。
  • 肉食恐竜の場合、植物食恐竜の個体数や大きさに左右される。あまりにも巨大化すると、それだけ多くの獲物を捕まえる必要がある。獲物を食べ尽くしてしまえば生存できない。
 このように考えると、植物食恐竜には、巨大化以外にも生き延びるための手段があったはずだ。例えば、
  1. 肉食恐竜と戦えるための武器を備える。角、牙、爪など。
  2. 皮膚を硬くする。
  3. 体じゅうを棘で覆う。
  4. 小型化し見つからないようにする。
  5. 巣穴を掘って隠れ、肉食恐竜が活動しない時間帯に動き回る・
などが挙げられる。じっさいこうした特徴を備えた恐竜、あるいは爬虫類、哺乳類が存在し、その後も進化しているはずだ。
 なお、上掲のうち4.の「小型化し見つからないようにする。」についてはもう少し深く考えてみる必要がありそうだ。放送では「【植物食恐竜は】図体をデカくしたほうが食われにくくなる」ということを暗黙の前提にしていたが、逆に小型化したほうが見つかりにくく、しかも植物資源の消費も少なくて済むというメリットがあるはずだ。でもって植物食恐竜が小型化してすばしこくなると、それを追いかける肉食恐竜も小型化せざるを得なくなる。これにより、「巨大化のスパイラル」とは真逆に「小型化のスパイラル」が起こっても不思議ではないはず。このことについてCopilotに「「中世代、植物食恐竜は肉食恐竜から食われにくくなるために巨大化した」という話を聞きましたが、逆に小型化してすばしこくなったり隠れやすくなったりしても食われにくくなるのではないでしょうか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
鋭い視点ですね!植物食恐竜が巨大化した理由の一つは、肉食恐竜に対する防御策としての「サイズの利点」です。巨大な体は単純に捕食者にとって狩りの難易度を上げるだけでなく、群れで行動することでさらに安全性を高めることができました。
一方で、小型化して俊敏に動く戦略も有効だったと考えられます。例えば、ジュラ紀後期にはオスニエリアのような小型の植物食恐竜が存在し、非常に速く走ることで肉食恐竜から逃げる能力を持っていました。また、茂みに隠れたり、夜行性になることで捕食を避ける種もいた可能性があります。
つまり、恐竜の進化は「巨大化して防御を強化する」か「小型化して俊敏に逃げる」という二つの方向性があったと考えられます。どちらの戦略も環境や捕食者の種類によって適応の仕方が異なったのでしょう。このような進化の多様性が、恐竜時代の生態系の豊かさを生み出したのかもしれませんね。興味深いテーマですね!

 なるほど、AIは凄い! なお恐竜の世界では「小型化して俊敏に動く」という進化は少数派であったようだが【理由は不明】、鳥類や哺乳類には受け継がれたと思われる。また骨格が無いために巨大化できなかった昆虫では、小型化したり、より速く、あるいはホバリングしたり、より長時間飛び続けるような機能が進化していったと考えられる。

 次回に続く。