じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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【カナリア諸島その3:関空―ドバイ―マドリードの航路】
 カナリア諸島旅行の小ネタその3。

 今回はエミレーツ航空を利用し、ドバイ経由で関空・マドリード間を往復した。航路は機内のディスプレイにあるフライト情報から、また在宅の家族はhttps://ja.flightaware.com/などでたどることができる。今回気づいたのは以下の点であった。
  • 【画像上段】
    関空→ドバイ:何度か利用したことがあるが、いつもほぼ同じ航路を通るようだ。全区間が夜間のため景色を眺めることはできない。
  • 【画像中段黄緑色】
    ドバイ→マドリード:以前モロッコに行った時は、ドバイから「サウジアラビア北部上空→アカバ湾→スエズ湾→ピラミッド上空→地中海」というコースをたどったので今回も同様であろうと思っていたところ、なっなんと、

    ●クウェート→イラク→トルコ東部→黒海南西部→→ブルガリア→イタリア北部→フランス南部

    という予想外のルートであり驚いた。フランス南部〜スペイン国境付近ではピレネー山脈の東端と思われる雪山を眺めることができた。
  • 【画像中段赤色】マドリード→ドバイ:
    地中海南部を通るルートであった。リビア・エジプト国境付近は、かつてエジプト皆既日食見物で訪れた地域であり懐かしかった。そのあとは、カイロよりも南のルクソール上空あたりを通過しサウジアラビア北部上空に向かったが暗くなってしまってスエズ湾やアカバ湾は見えなかった。
  • 【画像下段】ドバイ→関空:
     カラコルム上空を通過し、左の窓席からはフンザの山々【2023年3月3日及び翌日以降の楽天版参照】、右の窓席からはナンガパルバットや遙か彼方にK2を眺めることができる。今回は右側の窓席を強く要望し念願を果たすことができた。但しカラコルム上空の通過時は、機内は夜間フライトの設定になっておりすでに日の出を迎えた機外からの光を遮るためブラインドを下ろさなければならない。前回の左の窓席の時と同様、最小限だけブラインドを上げ、毛布をかぶって光が漏れないようにして景色を眺めていたが、それでも後ろの窓際席の外国人高齢女性から隙間から光が漏れていてまぶしいとクレームをつけられた。「私はいま見えている8000m級の山々の写真を撮ることを生涯の夢としていました。毛布で光が漏れないように最大限努力し、ブラインドは10分経ったら完全に下ろしますので、ご理解いただけませんか?」とお願いして何とかお許しをいただいた。なおこの件については後日、改めて取り上げる予定。

2025年05月24日(土)




【連載】チコちゃんに叱られる! 「チューリップと言えばオランダ」

 5月16日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。

 本日は、
  1. くつ下をはくようになったのはなぜ?
  2. 水戸黄門の「黄門」ってなに?
  3. チューリップといえばオランダなのはなぜ?
という3つの話題のうち、最後の3.について考察する。

 放送では、チューリップといえばオランダなのは「「チューリップ・バブル」が起こったから」が正解であると説明された。

 オランダの歴史を研究している大西吉之さん(聖心女子大学)&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。
  1. オランダの球根の生産量・輸出量は世界一であるが、チューリップはオランダ生まれではない。
  2. チューリップが生まれたのは中央アジアの天山山脈あたりだと言われている。
  3. 現在でもカザフスタンでは原種チューリップが自生している。今のチューリップは園芸用に品種改良されたものでありコップ形の花。いっぽう原種は花が外開きで背が低い。
  4. チューリップは1560年代、現在のトルコからヨーロッパ全土に伝わり始めた。
  5. 1593年、フランスの植物学者でチューリップ好きの、カロルス・クルシウスがオランダの大学に赴任したことでオランダにチューリップが広まった。
  6. オランダの土壌と気候はチューリップの栽培に最適であった。
    • チューリップは適度に湿っていて水はけの良い土を好む。
    • もともとオランダは国土の約1/4が海より低く水が溜まりやすい湿った土地が多い。そこで水路を作り、溜まった水をポンプや風車を使って排水することで、球根が腐りづらくよく根が育つ水はけのよい土地が作られた。
    • オランダは冬と春の寒暖差が大きいため、チューリップは厳しい冬を乗り切るために球根に養分を蓄え、暖かい春になると勢いよく育つ。


 放送によれば、オランダでチューリップ栽培が盛んになったのには、さらに以下のような経緯があった【要約・改変あり】。
  1. チューリップは球根がウイルスに感染すると珍しい柄の花が咲くことがある。そのようなレアなチューリップが1630年代前半にセレブや愛好家の間で大流行し高値で取引されるようになった。
  2. 1634年から1637年にかけて、世界初のバブルと言われる「チューリップ・バブル」が起こった。チューリップの知識も無い中流階級の素人が転売目的でチューリップの取引を行い、普通のチューリップも価格が急上昇し、バブルが発生した。
  3. チューリップは花市場ではなく夜な夜な居酒屋で、球根がなくても取引できた。
  4. 当時最も高額で取引されたのは赤と白のマーブル模様が特徴の『センペル・アウグストゥス』で1億円相当の値段がついた。
  5. しかしもともとチューリップの高値には根拠が無く、その後一気に値段が暴落した。これにより生涯返せないほど多額の借金を背負った人もいたが、最終的には行政の仲介で何とか払える額で落ちついた。
  6. チューリップ・バブルの崩壊は良くも悪くもヨーロッパで話題となりヨーロッパ各地で需要が拡大したため、バブルで余った球根が輸出されることでオランダはチューリップ大国になった。
  7. チューリップは今や7000種類以上。放送ではその中から大西さんお気に入りの品種が紹介された。
    • クイーンズランド:ドレスのフリルのような花びら
    • エステラ・ラインフェルト:赤と白のコントラストがドラマチック。品種名は開発者の妻の名前。



 ここからは私の感想・考察を述べる。

 まず、春咲きの球根としてはチューリップのほか水仙、ヒヤシンスなどがあるが、ホームセンターや園芸店などで一番多く見かけるのがチューリップであることは間違いない。私の素人なりの推測だが、その理由は、
  • 水仙などに比べるとウイルスに感染しやすい。
  • 日本の気候では開花後に分球してしまい、翌年に花を咲かせるまで太ることができない。
といった点にあるのではないかと思う。もっとも最近では日本の気候でも数年先まで花を咲かせる品種が出てきたように思う。ちなみに水仙は日本の気候に適しており、分球でどんどん増やすことができる【そのため、商品としては売れにくくなる】。ヒヤシンスも夏越ししやすい場所で育てれば数年以上花を咲かせることができる。
 なおこちらによれば、分球といっても、
  • 親球が分球して肥大するタイプ(鱗茎):スイセン、ムスカリ
  • 【親球は消滅し】球根が更新するタイプ(鱗茎、球茎):チューリップ、グラジオラス
という2通りがあるようだ。

 童謡にもある通りチューリップは「赤白黄色」が主流であるようだ。Copilotに「青色の花が咲くチューリップはありますか?」と尋ねたところ、以下のような回答をいただいた。
完全に青い花を咲かせるチューリップは自然界には存在しません。これは、チューリップが持つ色素の関係で、青色を発色するために必要な「デルフィニジン」という色素の働きが不十分だからです。
ただし、「アルバ・コエルレア・オクラータ」という原種系のチューリップは、白い花びらの底部分が青くなる特徴を持ち、「幻の青いチューリップ」とも呼ばれています。この品種は非常に珍しく、球根の流通量も少ないため、入手が難しいですが、部分的に青色を持つチューリップとして知られています。
今後、遺伝子組み換え技術や品種改良によって、完全な青いチューリップが誕生する可能性もあります。青い花に興味があるなら、デルフィニウムやブルースターなど、自然界に存在する青い花を楽しむのも良いかもしれません。

 大規模公園では、チューリップの「赤白黄色」を引き立たせるためにムスカリなど青系統の色を混色することが多いように思う【昭和記念公園など】。