【連載】チコちゃんに叱られる! 紙がぬれて乾くとゴワゴワになる理由、紙の作り方、資源化物にならない紙
昨日に続いて、10月17日(金)に初回放送された表記の番組についての感想・考察。本日は、
- 明るいところから暗くなると一瞬なにも見えなくなるのはなぜ?
- 相撲の化粧まわしはそもそもなに?
- 紙がぬれて乾くとゴワゴワするのはなぜ?
という3つの話題のうち、最後の3.について考察する。
放送では、紙がぬれて乾くとゴワゴワするのは「紙は引っ張って作るけど水にぬれたあとは引っ張られないまま乾くから」が正解であると説明された。
製紙メーカーで紙の素材を研究している阿部一行さん&ナレーションによる解説は以下の通り【要約・改変あり】。。
- 紙がぬれて乾くとゴワゴワするのは、紙の繊維がどうやって乾くのかが問題。
- 放送では紙を作っている工場を見学した。
- パルプを水につける。
- 水に浸かったパルプを細かい網目状レーンで濾してシート状にする。
- プレスで水分を絞る
- 加熱したローラーで縮まないように引っ張りながら乾かす。水分が抜ける過程で紙は縮もうとするがそれを引っ張りながら乾かす。繊維はピーンと伸びた状態で固まっていく。
- 巨大なロールで紙を巻き取る。
- 同じパルプを引っ張らないで乾かすと繊維が細くなり紙が縮んでしまう。
- 紙がぬれると、ぬれた所では繊維が膨らみ乾くと縮んでしまう。この時の乾くスピードが変わることでゴワゴワになる。
放送ではさらに、ぬれてしまったノートをゴワゴワにならないように乾かす方法が紹介された。
- ノートをフリーザーパックに入れて口を空けたまま24時間冷蔵庫に。
- フリーザーバッグからノートを取り出し、軽く振って霜を取り、ペーパータオルで挟んで辞書などの重い物の下に置く。
- この状態で1~2日かけて乾かすと、ノートが元通りになる。
この方法は東日本大震災で傷んだ本や災害資料を復旧させる時にも実際に使われた。但し「消せるボールペン」で消した文字は冷凍すると復活するので要注意。
ここからは私の感想・考察を述べる。
まず私は子どもの頃から紙というのはパルプなどの繊維を糊のような接着剤で固めて作っていると思っていた。おそらく生家で障子の張り替えをする時に糊が使われていたことからの連想である。しかし今回の放送でも紹介されていたように、実はそのようなものは一切使われていない。ウィキペディアに記されているように、紙ができる原理は、
植物から繊維を取り出して紙をすくときには、パルプを叩き、繊維が切断・水和・膨潤・絡み合うようにする作業が必要である。こうした作業を叩解(こうかい) という。パルプを叩解すると、繊維はまず内部フィブリル化し、次に外部フィブリル化する。
- 内部フィブリル化 - 繊維の組織がゆるみ、軟らかくなる。
- 外部フィブリル化 - 繊維の表面から、ごく短い繊維の束(フィブリル)が出てくる
ここで「フィブリル」とは、YahooのAI検索によれば以下の通り【省略・改変あり】。
- フィブリルとは結晶性高分子固体における配向性のある繊維状の微細組織を指禁忌品
- 光学顕微鏡で観察される数マイクロメートル(μm)の大きさから、電子顕微鏡で観察される数ナノメートル(nm)の大きさの構造まであります。
- 天然のセルロースには、房状ミセル構造に基づくフィブリル構造が存在します。
- しかし、紙の製造工程においては、パルプを叩解(切る・すりつぶす)することでフィブリル化を促し、繊維同士が絡み合うことで紙の強度やしなやかさを向上させるメリットもあります。
あと、こちらに、再生紙として利用できない紙がリストアップされていた。岡山市の規定はよくわからないが、我が家では容器包装の識別表示で「紙」のマークが付いている物【上の画像参照】は、LL紙パックやアルミ付き紙パックであっても資源化物で出していたが、岡山市のサイトを見たら「紙パック(アルミコーティングしてあるもの) 可燃ごみ 資源化物になりません。」と書かれてあった。次回から可燃物として出すようにしたい。
公益財団法人古紙再生促進センターと全国製紙原料商工組合連合会は、次のものを禁忌品と指定し、禁忌品を古紙に混ぜないよう求めている。禁忌品はリサイクルができない。
- 昇華転写紙(アイロンプリント紙、捺染紙)
裁縫用の型紙などに使われている。字や絵柄が逆になっていれば昇華転写紙である。
- カバンや靴などの詰め物(使用済み昇華転写紙)
昇華転写紙が詰め物としてリユースされている場合があり、昇華転写紙ではない場合と見分けがつかないためすべて可燃ごみにする。
- 感熱性発泡紙(立体コピー紙)
主に点字印刷物(図や絵)に使われている。感熱性発泡紙らしきものも可燃ごみにする。
- ろう(蝋)(ワックス)付段ボール
輸入青果物や水産加工品を入れる段ボール箱に使われている。
- 箔押しされた紙
金銀の折り紙など。
- 建材に使用される紙
壁紙、防水シート、石膏ボードなど。
- 圧着はがき(親展はがき)
請求書、ダイレクトメールなどに使われている。
- (牛乳パック以外の)ラミネート紙、樹脂コーティング紙、アルミコーティング紙
アイスクリームのカップ、カップ麺のふた、お酒のパック、ガムの内側の包装紙などに使われている。牛乳などで使われる紙パックは本来は禁忌品だったが、消費者が紙パックを「洗って、開いて、乾かして」分別することで例外的にリサイクル可能となった。他の古紙に混ざった場合は禁忌品となる[9]。LL紙パックやアルミ付き紙パックは、地域と分別方法によって禁忌品として扱われる場合とリサイクル可能な場合がある。
- 防水加工された紙
紙コップ、紙皿、紙製のカップ麺・ヨーグルト・アイスクリーム容器など。
- 硫酸紙(パーチメント紙)
クッキングシート、中華まん・ケーキ類の底紙、薬包紙など。
- カーボン紙、ノーカーボン紙
複写用紙、伝票類などに使われている。
- 感熱紙
レシート、ロール状のFAX用紙など。
- 印画紙
写真、アルバム、インクジェット用写真用紙など。
- 抄色紙(判定基準A、Bを除く)
色紙、色画用紙など。
- 果物類のクッション材
色の濃い果物類のクッション材など。
- 複合材
通販用緩衝封筒、絵本型おもちゃなど。
- 合成紙、ストーンペーパー
屋外で使用する選挙ポスターや地図に使われている。
- 不織布
マスク、簡易お手拭き、フローリングワイパー、コーヒーフィルター、水切り袋、ティーバッグ、キッチンペーパー、包装紙など。
- 臭いのついた紙、食品かすのついた紙、汚れた紙
- シール、粘着テープ
- 使い捨ておむつ、生理用品、ペット用トイレシート
石、ガラス、金属、土砂、木片、布類、プラスチック類
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