【思ったこと】
980518(月)[社会]民主主義は何のためにあるか(1) ちょっとフォローが遅れたが、世界旅行の出発が間近いシリコンバレー留学中「神田日記」 さんが5月16日の日記で「民主主義について」とりあげておられた。インドネシアでの騒乱のニュースが伝えられる昨今、私も、この問題についていろいろ思うところがある。 初めにおことわりしておくが、私はこの方面には全く素人で、民主主義を提唱した思想家の名前も、いろんな国の制度のことも、受験勉強で頭に詰め込んだきり、すっかり忘れてしまった。思い出せることと言えば、リンカーンによる「人民の、人民による...」ぐらいのものだろうか。 ところで、民主主義はなぜ必要なのだろう? だいぶ昔のことで忘れてしまったけれど、小学校から高校に至るまで、このことをあまり真剣に考えたことが無かったように思う。というより、小学校のころは、まだまだ戦後間もない時期であり、民主主義は正しいのが当たり前で、疑問を懐くことさえなかった。ヤクザでさえ、「おまえんところは民主的でないぞ」と言って脅迫をしたいう冗談のような逸話まで聞いたことがある。 民主主義と言っても、神田さんご指摘のようにいろいろな制度があり、「議会制というのは民主主義実現のための一手段に過ぎない」わけであるが、近代国家は殆どが議会制民主主義を取り入れている。したがって、このシリーズ(←いずれのシリーズも不定期連載でぇーす)では、単に「民主主義」と言う場合は議会制民主主義のことを示すものと考えていただきたいと思う。 では、議会制民主主義はなぜ必要なのか? 結論から先に言えば、それは人類が数々の犠牲を教訓として知恵をしぼって作り上げた最高の「暴動回避装置」であるから、というのが私の考えだ。つまり、導入の経緯や諸々の民主主義思想はどうあれ、現状において、多くの近代国家で議会制民主主義が定着している最大の理由は、国民の不満・不平が暴動に進展しないための最も有効な回避装置として機能しているからである。 インドネシアで暴動が多発しているのは、政治の仕組みに有効な「暴動回避装置」が組み込まれていないことが一因となっているように思う。民主主義が徹底した国であれば、国民はいつでも大統領や首相を辞めさせることができる仕組みになっている。しかし、これは裏を返せば、「政権を批判したかったら、暴力に訴えるのではなく、ちゃんと選挙に勝って、国会に出てきてから文句を言え」という意味にとれなくもない。 「文句が出ない工夫」については、じつは昨年の8月5日の日記でちょっと考察したことがある。インデックス作りが遅れていてまだジャストネットのサーバにアップしていない。このシリーズを終えるまでには必ずアップを完了しておきたいと思っている。きょうは時間が無いので、このシリーズで私が指摘したいことの概略を示す。おことわりしておくが、私は決して議会制民主主義の否定論者ではない。あくまで議会制民主主義を守るべきだと考えている。ただ、民主主義を安易に崇拝したり絶対化することは、結果的にそれを形骸化させる恐れにつながる。それを避けるために、もういちど根底からこれを見直すこと、例えば独裁政権は何故いけないのかということから問い直す必要があるというのがこのシリーズの趣旨である。
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【ちょっと思ったこと】
980518(月)[生活]NHKラジオ英会話の新シリーズ NHKラジオの「英会話」の講師が大杉明先生からマーシャ・クラッカワー先生に交代したことについて3月13日の日記にちょっとだけ感想を述べたことがある。4月のうちはどうも新しい雰囲気に馴染めず、大杉先生の時の方がよかったなあなどと思ってみたりしたものだが、1カ月半ほどたってみると、かえってスラスラと頭に入りやすくなったような印象を受けるようになった。 1つは、男性のパートナーの方(Michael Naishtut氏)がイントネーションを強調するしゃべり方をするために記憶に残りやすいこと。そして、もう1つ、おそらくこれが決定的な違いだと思うのだが、話題が自然保護から教育現場へのコンピュータ利用の話題と、私個人として非常になじみやすいストーリーになってきたことである。今日はちょうど、EメイルとSメイルやインターネットのことをとりあげていた。しんつまさんの英会話勉強にはもってこい...と思ったが、簡単すぎてツマラナイかもしれない。 自慢ではないが、私は御帰国中のエンドーさん初め、海外在住の日記作者諸氏、ホリウチさん、れっきいさん(←最近、マジで改名した?)ほか、諸々の英会話の達人のように流暢には英語をしゃべれない。NHKラジオの「英会話入門」と「英会話」を欠かさず聞くようになって今年が4年目になる。 |
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