【思ったこと】
980730(木)[教育]大学選びのヒント(その2) 昨日の日記の続き。きょうの「ヒント」は、どういう先生がその大学にいるのかなどという情報に引きずられて志望先を選ぶべきではないということ。なぜなら、いまの大学は昔以上に、教員の流動がはげしい。特定の教官に惹かれて入学したところで、その教官が卒業までその大学にとどまるという保証が無いからである。 私がいまの講座に転任してきたのは7年前であったが、その直前の人事を含めると、7年余りのあいだに転出した教授が2名、助教授が2名、退官した教授が1名、逆に転入した教授は1名、助教授が私を入れて3名、新学部設置のために拠出した教授が1名となっており、8年以上前から現在まで同じ大学に残っている教官は2名だけにすぎない。要するに、いまの時代は、大学の教官というのはどんどん移っていくものであって、大学院生が助手として採用され、そのまま、同じ講座の中で講師、助教授、教授と昇任していくなどというのは、まずあり得ない。同じ大学に在籍30年以上などというのは、大学教員としてはむしろ恥だと考えたほうがよさそうである。 そこで、じっさいよくある話だが、3回生後期になってそろそろ特定教官の指導を受けて卒論に取り組もうかという時期に、とつぜんその教官から「じつは、4月から別の大学に変わることになった」などと申し渡されるハメになる。また転任はしないが、長期の在外研究員や海外研修で1年ないし2年間指導を受けられなくなるというケースもある。 しかし、こういうことが起きたからといって教官の身勝手とは言い切れない。見捨てられたと考えるべきでもなかろう。教官には教官なりに、自らの最適の研究環境をめざして大学を変わる自由があるのであって、学生はいつ何時そういう変動が起こっても、みずからの卒論あるいはその先の院進学に自立して対処できるような準備をしておく必要がある。特定教官の言われるがままに課題を遂行するだけの学生は大学には必要ない。ま、このあたりは文学部の場合と、医歯系工学系の学部では相当に違っているかもしれないが。 Web日記作者の中には、尊敬する人として大学時代の恩師をあげる人もいる。そういう人はそれで幸運だったと思うけれど[3/19の日記に関連記事あり]、少なくとも大学選びに限っては、現時点でのスタッフを判断基準にすることは非常に危険であると言わざるを得ない。 |
【ちょっと思ったこと】
|
【新しく知ったこと】
|
【リンク情報】 |
【生活記録】
|
【家族の出来事】
|
【スクラップブック(翌日朝まで、“ ”部分は原文そのまま。他は長谷川による要約。【 】部分は簡単なコメント。)】
|