【ちょっと思ったこと】
- 昨日の日記で時計の精度と機能について考えてみたが、1/23の朝に、NHKの「広島発2000」というローカル番組で「時計職人は月の夢を見るか」という話題を取り上げていた。紹介されたのは福山市在住の時計職人の佐藤さん。精密な月面写真を撮影するアマチュア天文家としても知られているが、本職の技のほうはまさに人間国宝級。江戸時代の尺時計を完成させるところなど拝見していると、ボタン電池型のデジタル、アナログ時計がどんなに普及しても、昔ながらの時計制作の技術はぜひ継承してもらいたいものだと思った。
私自身は大学院に入った頃までは、昔ながらのネジ巻き式の腕時計を使っていた。あの頃は、自動巻の時計というのがあった。時計の内部に重りのようなものがあって、腕の動きとともに転がり自動的にネジを巻くというもの。当時は、ネジを巻くために腕時計を激しく振っている人をよく見かけたものだ。このほか、毎朝時刻を合わせる習慣をもつ人は几帳面な人だと見られていたが、今はせいぜい一週間に一度合わせれば十分。もちろんネジ巻きをする人も居ない。人間の行動も随分変わってしまったものだ。
なお、昨日の日記に関連してお互いを更新する掲示板のほうにShiroさんより以下のような情報をいただいた。どうもありがとうございました[改行箇所は長谷川のほうで一部変更してあります]。
日常的な文脈で精度と言った時、accuracyを指す場合とprecisionを指す場合がありますね。
日本語でも厳密には使い分ける術語があったと思いますが、何でしたっけ。確度と精度だったかな。
1日に必ず5分遅れる時計はhigh precisionですがlow accuracyってことになるのではないかと思います。
件の時計は、その両方を合わせた最大誤差について言っているのでしょうからなおややこしい。
- 吉野川可動堰建設の賛否を問う住民投票が23日、徳島市で行われ、投票率54.995%、建設に反対とする票が90.14%と圧倒的多数を占めたという。今回の投票では投票率が50%に達しないと成立しないという要件がつけられ、一部の建設賛成派は、棄権を呼びかける動きに出たとか。
可動堰自体の議論は別として、投票率を成立要件にすることについてはちょっと問題ではなかったかと思う。そもそも投票というのは、投票の秘密が守られてこそ意味があるというものだ。今回のような状勢では、投票への参加・不参加自体が「あの人は○○派なのか」と見られてしまう恐れがある。棄権が正当化されるのは、唯一、独裁政権下で自由な意見交換が行われないままに、権力者への信任投票が強制されるような場合だろう。
余談だが、町内会とか労働組合、社団法人化された学会の総会などで委任状をとりつけるのも少々問題。委任状というのは実質的に現役員への信任票をその場で求めているようなものだ。総会での役員選挙や決定内容に意思を反映させるというならば、やはり秘密性を保持した投票を行うことが不可欠。ま、どっちにしても委任状集めだけで運営していると構成員は次第に無関心となり、結局は活動の停滞と組織の弱体化をもたらすことは避けられないだろうが。
- 1/24朝のNHKおはよう日本で、生命保険会社がインターネットを通じて保険の申し込みを受け付けるようになったというニュースを伝えていたけれど、これってそんなに重大なニュースなのだろうか。ニュースでも言っていたように、保険の申し込みの場合はどっちにしても書類の郵送が必要。申し込み受付と言っても、実質的にはHP経由で資料送付を申し込むのと手間は変わらない。ま、保険料についての一定の特典と、しつこい外交員に顔を合わせなくて済むというメリットはあるだろうが。
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