じぶん更新日記1999年5月6日開設Y.Hasegawa |
岡大構内の旧第四喫茶跡地に新しい建物が建てられることになった。第四喫茶自体は一昨年11/12に取り壊されていたが、このたび、入口付近にあった大きな松の木2本が時計台前の芝地の一角に移植されることになった。なお、同じく周囲にあったセンダンと桜の木は残念ながら切り取られてしまった模様。写真は、左側が移植直前の松の木、右側の取り壊し直前の旧第四喫茶。松の木の位置が同じであることをご確認いただきたい。 |
【思ったこと】 _00125(火)[心理]キャッチフレーズを読み解く(1):吉野川可動堰ディベート 23日の日記でもちょっとふれたように、吉野川可動堰建設の賛否を問う住民投票が23日、徳島市で行われ、投票率54.995%、建設に反対とする票が90.14%という結果になったというが、じつはこの問題、私にはよく分からないところがあった。例えば
では、どうしてこのような結果になったのだろう? どうやら建設省側が説得活動においてキャッチフレーズづくりに失敗し、逆に反発を与えてしまったことが、54.995%という高い得票に表れたのではないか、という気がしてならない。 この問題に限らず、世の中はキャッチフレーズにあふれかえっている。念のため『新明解』でこの意味を調べてみると、 [広告などで]相手に強い印象を与えるために使う、短い効果的な言葉、うたい文句、惹句となっている。 この忙しい世の中、いちいち時間をかけて理詰めで相手を説得していくのはなかなか困難。聞き手側もそんな相手をしている時間的余裕がない。そんなことよりも、分かりやすいうたい文句で人の心を惹きつけたほうがよっぽど効果的。そしてそのためには、相手が「これは絶対に正しい」、「これなら賛成」というように「当たり前」であると考えている内容に如何に結びつけていくか、そこで如何に琴線に触れるかというテクニックが大きく物を言うことになる。 さて、今回のケースで反対派はどういうキャッチフレーズを使ったのだろうか? 事後的な解釈になるけれども、いちばんインパクトを与えたのはどうやら 吉野川に一票を!であったように思われる。このほか
いっぽうこれに対して建設省や徳島県が提示したキャッチフレーズは何だったのか? 新聞記事をざっと調べてみると(2/5に関連記事あり)
学術上の論争と異なり、納得を与えるキャッチフレーズは必ずしも科学的根拠に基づくものとは限らない。私自身はこれまで、一般教育の授業や行動科学概論の中でもそういうものを「話術」として批判し、「あっさり納得せず、本当はどうなっているのだろう」というクリティカル思考を推奨する立場をとってきた。 しかし、そもそも人間行動は論理的推論に基づいて因果関係を冷静に把握した上で実行にうつされていくものではない。「行動随伴性」という行動分析学の基本概念は 行動に随伴する結果は、因果関係に基づいて必然的に生じた結果であろうと、偶発的に伴った結果であろうと、同等の効果をもつ。効果の違いは、あくまで結果随伴(強化)と非随伴(消去)の頻度によって決まるということを前提としている。また、「〜すれば〜になる」という形のキャッチフレーズは有用なルール支配行動を形成できる可能性をもっている。とすれば、ある程度の科学的根拠をもつことと、クリティカルな思考があることを前提にしつつも、より有効な「キャッチフレーズ」づくりをめざすことで、より活気にあふれた人生や社会を構築できる可能性があることにも目を向ける必要がある。これを機会に、不定期ながら、いろいろな形で提示されているキャッチフレーズが何を背景として成り立っているのか、本当はどうなのか、どういう効用があるのか、読み解いていく連載を開始したいと思う。 |
【ちょっと思ったこと】
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【スクラップブック】
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【今日の畑仕事】
レタス、チンゲンサイ、ホウレンソウ収穫。 |