【ちょっと思ったこと】
予餞会でのスピーチ
23日夕刻から教室の予餞会(卒業生を送り出す会)が開催された。私のスピーチの概略は次の通り[一部加筆修正]。
「21世紀最初の」の祝賀ムードにつつまれた昨年の予餞会に比べると、今年は、同時多発テロやアフガンでの戦闘、そして国内経済悪化というように暗い雰囲気につつまれている。岡山市内でも人気レストランやラーメン屋、カレー屋などが相次いで閉店を余儀なくされた。
しかし、こういう時代は、見方を変えれば、「良いものを増やし、悪いものを無くす」絶好のチャンスであるとも言える。これは行動分析でいう強化・弱化の原理そのものである。行政や民間企業のみならず、この大学内においても、大過なく定年を迎えるなどという事なかれ主義は通用しなくなった。小講座時代には、年配の教授を敬い、その指導を無批判に受け入れてサポートすることが年下の助教授や助手の美徳であるように考えられてきたが、今は違う。過去に偉大な業績を挙げた教員であっても、指導や判定に誤りがあれば徹底的に批判される。批判に答えられず、改めようとしない教員は、たとえ定年間際であっても大学から叩き出されなければならない。
そういう意味では、この予餞会においても、「お世話になりました」という形ばかりの感謝はやめてもらいたい。教員側に問題があれば遠慮無く批判してもらいたい。的確な批判を浴びせることが真の感謝である。
このことは卒論や修論の取り組みについても言える。もはや「指導教員が良しと言えば合格」「ダメと言えば不合格」などという小講座時代の悪弊は通用しない。今回、一部の合否判定をめぐって、教員全員が長時間の協議を重ねたことはまことに意義深いものであった。そういう意味では、これからはますます、論文の合否判定は厳しくなるだろう。そして、同じことは社会に出てからのさまざまな仕事についても言える。
このような厳しい時代であればこそ、今は変革の絶好のチャンスでもある。そのことを肝に銘じて頑張りましょう。
余興クイズ
予餞会では、メインとなる卒論生の挨拶のほかに、ゼミ対抗のクイズ合戦があった。記憶に残っている問題をメモ代わりに記しておきたい。
- オセロゲームのコマが「○●●●○」というように5個並んでいる。同時に2枚のコマを裏返しにするという操作を繰り返すことで、全てのコマを白に変えることができるか。但し、「挟んだらその間のコマも同じ色になる」というオセローのルールは使えない。
- 1から10の10個の数を2つのグループに分けたのち、すべて掛け合わせる。積を等しくすることはできるか。
- A、B、C3つのマスがある。それぞれの容積は順に1500ml、1000ml、600mlとなっており、A(1500ml)のマスには水がいっぱい入っている。他のマスに移し替えるという操作を繰り返すことによって100mlを取り出すには最低何回の操作が必要か。
興味のある方は、↓の解法をご覧下さい。
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- オセロのコマのうち「●」1個につき+1点、「○」はすべて0点であると考える。同時に2枚を裏返すという操作は、持ち点を2点増やす(白→黒)か、2点減らす(黒→白)か、いずれかの結果しかもたらさない。「○●●●○」という配列の時の持ち点は3点であるが、これに偶数である2点をどのように加減しても0点にはできないので、全部を白にすることは不可能。
- 2グループの積が等しくなった場合、その素因数分解の結果は同一にならなければならない。しかるに素数7はいずれか一方のグループにしか含めることができない。ゆえに積を等しくするようなグループ分けは存在しない。
- 600ml容器を斜めに傾けると、容量が100mlになるような角錐を作ることができる。そこに水を溜め込めば、1回の操作で100mlを計量することができる。
なにやらマニアックな問題が多く、予餞会の余興として盛り上がったかどうかは定かではないが、ま、こんなもんだろう。
このうち2.だが、これを一般化して
nからn+9までの10個の数がある(但しn≧1)。それらをそれぞれの積が等しくなるような2つのグループに分けることができるか。できないとするならその理由、できる場合はnの最小値を求めよ。
という問題が考えるが、どなたか正解をお教えいただければ幸いです。なお、この場合、5個ずつ分けるのか、個数は違ってもとにかく2つのグループに分ければよいのか、で結果は違ってくると思う。
もう1つ3.のクイズだが、容器の形状にこだわらず(つまり容器を傾けるというようなトリックを使わずに)100mlを取り出すにはどうしたらよいのだろう。家に戻ってからお風呂の中で考えてみた。
いちばんシンプルなのは
100=1000+600-1500
という数式に対応する移し替え操作を見つけることだ。しかし、これは、別のタンクに1600ml以上の水が蓄えられていないと使えないように思う(もしそのようなタンクがあれば、1000mlと600mlの容器を満杯にして1500mlに移し替え、残った量が100mlであるとして計量できる)。
そこで次に考えられるのが、
100=1500-(600+600-1000)-(600+600)
という数式に対応した移し替えを見つけること。おそらく以下のようになる。なお、文中のA、B、Cのカッコのの中の数値は、A(1500ml)、B(1000ml)、C(600ml)の容器内の残量を示す。
- AからCに600移す A(900) B(0) C(600)
- CからBに600移す A(900) B(600) C(0)
- AからCに600移す A(300) B(600) C(600)
- CからBに移せるだけ移す。結果的にCに200mlが残る A(300) B(1000) C(200)
- BからAに1000移す A(1300) B(0) C(200)
- CからBに200移す A(1300) B(200) C(0)
- AからCに600移す A(700) B(200) C(600)
- CからBに600移す A(700) B(800) C(0)
- AからBに600移すと、容器Aに残ったのが100mlである A(100) B(800) C(600)
上記は9回の操作で完了している。これより少ない回数の操作が見つかった方はお教えいただければ幸いです。
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