じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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サーバーの容量事情により、写真ファイルはこちらに移しました。 タスマニア・リッチモンドにあった教会。帰国後に調べたところ、このあたりにはオーストラリア最古のカトリック教会である聖ジョンカトリック教会があるという。ひょっとしてこの建物ではないだろうか。


1月27日(月)

【ちょっと思ったこと】

ガチンコ部活の衰退?

 昨日の日記で大相撲各段優勝者が1力士を除いてすべて外国人になったということを書いた。このことで、1/24の朝日新聞に「ガチンコ部活イヤ!」という記事があったことを思い出した。

 ここでいうガチンコというのはラグビーや柔道など体をぶつけ合う競技のことのようだ。記事によれば、高校の運動部の中で、この種の部員数が著しく減っているという。

 データとして紹介されたのは、23日に始まった全国高校体育連盟研究大会における高校教諭の発表であった。対象となったは石川県の運動部員の数。少子化の影響で、県内の生徒数は1992年を100とすると2001年には72.8に減少している。したがって、運動部の選択に変化がなければ、運動部員数も72.8に減るはずである。ところが、調査によれば、テニス(96.7)、弓道(96.2)、バトミントン(93.2)、サッカー(92.8)、ボクシング(91.3)は、少子化の影響をあまり受けていない。72.8を上回っているので、高校生全体に対する比率はむしろ増えていると言える。これに対して、柔道(55.5)、ラグビー(53.7)、体操(52.2)、新体操(45.4)、スキー(44.7)は、72.8を大きく下回っており不人気であることが分かる[]。記事ではこれについて、部の選択理由として「安全、楽しさ、友達づくり」が重視され、体をぶつけ合う激しい競技や、技の高度化でけがの心配のある体操が敬遠されたのではないかと指摘していた。なお、例外的に人気のあるボクシングについては、テレビの人気バラエティ番組の影響であろうと解釈している。

 以上の記事については、なるほどそうかなあという点もあるが、もう少しいろいろな角度から原因を考えてみる必要があると思う。

 まずこのデータが石川県内の運動部員数であるということ。高校野球、サッカー、駅伝などを見ても分かるように、運動部の水準にはかなりの地域差がある。例えば、高校野球となると、四国4県は圧倒的に強い。ところが四国の高校が高校駅伝で上位に進出したということはあまり聞かない。駅伝ではむしろ九州各県のほうが圧倒している。どの県においても、地元から優勝者が出れば、後輩のあこがれとなる。予算もたくさん配分されるに違いない。

 部活動に必要な施設、用具、合宿費用などにも違いがあるだろう。一般論として、広いグラウンドや専用の施設を必要とする競技の場合は、県や各校の予算配分、既存施設の活用状況も大きく影響するはずだ。例えば、弓道場を新たに作るにはお金がかかる。またいったん作った後は、それを活用させるために、学校としても力をいれることになるだろう。但し上記のデータに限っては、もっともらしい説明は思いつかない。

 もう1つ、これは非常に重要なことだが、比率で比較するばかりでなく、絶対数(あるいは分母となる数)がどのくらいあったのかも知っておく必要がある。例えば、ボクシングが人気があるといっても、テニスやサッカーと同じぐらいの部員数があるのか、10分の1にすぎないのか、それによって、変動の大きさも変わってくるだろう。1000人の部員が1100人に変化しても1.1倍の増加にすぎないが、10人の部員が20人に増えたとしたら2倍の増加ということになってしまう。

追記]

上記の数値に一部勘違いがあったので訂正させていただきます。上記の数字は全国高体連の調査結果。石川県内の調査では
...県内の生徒数は92年度を100とすると01年度は72.8。同様に運動部員が、10年前と比べて、どの程度の割合になるかをみると、相対的に減っていない競技は、弓道(88.3)、サッカー(86.8)など。一方、相撲(51.6)、柔道(46.5)、ラグビー(34.1)....
地域的な特異性についての疑問は、こちらの数値に限ってあてはまることになります。




 ここからはあくまで一般論になるが、運動部の面白さというのは結局のところ、個々人の努力(=日々の練習)の量や質に応じて、ある程度の頻度、ある程度の大きさ、そしてある程度の意外性をもった結果が随伴するかどうかということにかかっていると思う。例えば、体格や素質のほうが物を言うような競技では、参加者は限られてくる。また、努力の積み重ねが、1回の怪我で台無しにされてしまうような競技も敬遠されるだろう。「ガチンコ」で怪我をさせたくないということよりも、怪我によってせっかくの努力の成果が活かされなくなることのほうが問題なのだ(これはけが人の多い、今の大相撲についても言える)。このほか、プロをめざすことができるのか、選手個人の活躍の場がどの程度与えられているか、生涯続けられるような楽しみになるのか、周囲にどれだけ愛好者がいるのか、なども重要な選択基準になっていると思う。

 余談だが、日曜日の夕刻、グレートマザーとかいう番組でプロボウラーの中山律子さんのお母さんのことが取り上げられていた。中山律子さんは、女性では初めてパーフェクトを達成した選手としても知られており、私が学生の頃にはたいへんな人気があった(パーフェクト達成の確率は確か36万分の1だとか...)。その中山さんが活躍した東京タワー脇のタワーボウリングは今は閉鎖されているという。これも広い意味でのスポーツ競技の盛衰の1つとなるのだろうが、元の記事にあった「楽しく・安全が基準」ならば、ボウリング人気はもっと復活してよいはず。




明け方の金星と火星と月

[写真] 1/28の明け方、南東の空に金星と月が並んで光っていた。写真には写っていないが、近くには火星やさそり座もある。この日記にたびたび書いているように、惑星の位置は刻々と変化している。内惑星の金星はもちろん、火星のほうも、元旦には天秤座、今の時期が蠍座、3月には射手座というように次々と場所を変えていく。