じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真]  箒草(コキア)。今回はポット苗を移植したが、種からでも十分に育つ。乾燥に強く、過度の水やりは禁物。株の大きさは、水分ではなく、むしろ土の性質や肥料に依存するようだ。この場所のように、初めて育てた場所では大株になる。


8月2日(月)

【ちょっと思ったこと】

自転車の番号カギを開けられず雨に降られる

 2日は19時半頃まで会議があり、外はすっかり暗くなってしまった。停めてあった自転車の番号カギを開けようとするが、暗くてよく見えない。近くの街灯の下までタイヤを引きずって行ったが、それでもなお見えない。原因は単に暗いだけではなかった。しばらくして、老眼鏡をかけたらバッチリ見えることに気づいた。

 カギ開けで5分以上モタモタしていたおかげで、帰り道、猛烈な雨が降ってびしょぬれになってしまった。

 老眼というのは、単に近くが見えにくいだけだと思っていたが、明るさにも多少関係しているようだ。これじゃあもう、チェーン式の番号カギは使えない。差し込みキー型に取り替えなければ。とほほほ。




前期のすべての授業終了

 月曜日2限目の「基礎科目I」をもって、前期の担当授業すべてが終了した。岡大の場合は完全セメスター制をとっているので、これから9月いっぱいが夏休みということになる。

 もっとも、委員会や研修会の日程には夏休みは無い。8月中旬のお盆の時期を除けば、あまり長期の休みはとれそうもない。9月に入ると各種学会の年次大会が予定されており、そのための準備も必要になってくる。

 いずれにせよ、まず取り組まなければならないのが、期末試験の採点と成績評価作業である。8月上旬は、これだけで精一杯。

【思ったこと】
_40802(月)[心理]「活きる」ための心理学(18)成果主義

 自治体主催の生涯学習講座の4回目(7月24日実施)の講義メモの続き。4回目の後半では、時間配分の都合上、一部省略しつつ、「競争原理」の続きとして「成果主義」、さらに「高齢者福祉」の問題に言及した。

 ところで、「成果主義」と「高齢者福祉」を並べると、何だか、全く関係なさそうに見える。しかし、「能動(=能動的な行動)」に対して適切に結果が伴うことを重視する「能動主義」の立場から言えば、どちらも、同じ枠組みで捉えることができるのだ。つまり、
  • 「成果主義」とは、「行動の努力と質に応じて人為的に結果を付加する仕組み」
  • 「高齢者福祉」において重要なのは、高齢者の能動的な行動に、うまく成果(結果)が伴うようにサポートする仕組みを整備すること
という共通性を見出すことができる。




 さて、テレビや新聞、ネット上で各種情報などでも伝えられているように、日本では、従来の、年功序列型・家族型の雇用・昇進制度に替えて「成果主義」を導入する企業が増えてきた。しかしその多くは失敗、最近では、コンピテンシー(competency / 高業績者の行動特性)とか、成果達成支援というように、新たな改良が提唱されるようになっている。

 単純な成果主義の弊害としては
  • 達成可能な短期的な目標ばかりにこだわるようになる。
  • 評価ばかり気にする。結果的に、評価されない項目はおろそかになる。
  • 手段を選ばない結果至上主義となり、プロセスが軽視される
といった点が挙げられるが、これらは、決して成果主義に根本的欠陥があるからではない。どういう行動を育成すべきなのか、どういうプロセスに結果を付与することが発展に繋がるのかといった長期的な視点が欠落していたために生じた弊害にすぎない。

 余談だが、これらは、大学における個人評価でも起こりがちな弊害である。例えば、発表論文の数やページ数ばかりを重視してしまうと、教員は、短期的に「成果」を出しやすい「追試型」や「パラメターいじくり型」の研究ばかりに終始することになる。また、教育・研究・管理運営いずれの面においても、評価項目に関係する部分だけ熱心に取り組むようになる恐れがある。長期的な視点、及び、プロセス重視をどう取り込むかが重要なカギとなっている。

 次回に続く。