じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
農学部農場の洋梨の花と果実。これまでにも何度か、この時期にちょっぴり花が咲くのを目撃したことがあるが、今年は台風のせいだろうか、花の数が多いような気がする。 |
【ちょっと思ったこと】
また台風 10月4日正午にフィリピンの東海上で発生した台風22号(マーゴン (MA-ON) : 山の名前(馬の鞍) [香港] )が、またまた日本に向かう気配を見せている。 前回の21号の初期の予報と同様、気象庁の予報(10月6日3時現在)のほうはまだまだ「迷い」が多く「どこに進むか分からない」ような予報円になっているが、「思い切りのよい」米軍合同台風警報センター(10月5日18時現在)は、10月9日頃に近畿地方を通過するような予想進路を発表している。21号の時は、米軍はかなり早い時期から日本上陸を予想していた(9月26日の日記参照)が、今度はどうだろうか。 10月の台風は強い偏西風に乗って南海上を東に逸れていくコースを辿るものが多いと思ったが、今年のような異常気象の中では何が起こっても不思議ではない。今回の台風が来ても来なくても、地球温暖化がもたらす高温多雨の前触れであると深刻に受け止める必要があるのではないかと思う。 |
【思ったこと】 _41005(火)[心理]血液型差別番組を考える(6)「いんちき」心理学研究所/ホムクル血液型差別への批判に対するTBSの回答 9月18日に「ホムクル」、10月3日に「あるある大事典」で、血液型絡みの話題が取り上げられると聞き、どのような差別発言が飛び出すか証拠を押さえる目的でDVDハードディスクに録画しておいた。その後も時間が無く全然視ていないのだが、とりあえず、パソコンでもチェックできるようにとDVD-Rディスクにダビングした。暇をみつけて、意見を述べていきたいと思う。 さて、このことに関連して、Googleで「ホムクル 血液型」というキーワードで検索をかけたところ、6月5日に放送された例の差別番組(私自身の意見は、こちら) ●「能力探検!ホムクル!!ABOAB血液型性格診断のウソ・ホント! 本当の自分&相性のすべてがわかるスペシャル」/放送日時 2004年6月5日 19:00〜20:50 に対して、種々の批判が寄せられていたことが分かった。 なかでも「いんちき」心理学研究所の「血液型と性格が関連している」という差別 (2004.08.06 Friday、但し、批判対象は主として「あるある大事典」) というコンテンツは、今回初めて拝見したが、血液型差別に関する諸問題をコンパクトにまとめてあって、たいへんすぐれていると思った。こういうサイトがある限り、もはや私のような「血液型ご隠居」があたふたと駆けめぐる必要はなさそうだ。このほか、少し古いがこちらの議論も大いに参考になると思う。 そんなななか、元の6月5日の番組に関して目にとまったのが、TBS自身による、TBSの「放送と青少年に関する委員会」についてのご報告という記事であった。これは放送倫理・番組向上機構の「放送と青少年に関する委員会」から意見が寄せられたことに対して、意見と回答を公表したものである。 このご報告ページを見てまずあきれたのは、右上のところに「TBSでは、青少年の知識や理解力を高め、情操を豊かにする番組として、特に下記の5番組を推奨しています。」の1つとしてとして、「ホムクル」が挙げられていたことだ[※2]。少なくとも、6月5日の番組を視る限り、あんなものが「青少年の知識や理解力を高め、情操を豊かにする番組」であるとは到底思えない。視聴率第一の民放という宿命はあるにせよ、あの程度の番組しか作れないというなら、受信料を取られてもNHKはやはり必要と言わざるを得ない。 さて、TBSの回答の内容だが、 その後放送されたTBSのレギュラー番組「脳力探検クイズ!ホムクル」の血液型コーナーでは,差別に繋がりかねない表現をカットするとともに,どの血液型についてもその長所を強調するかたちで扱いました。更に「個人差があります」というスーパーテロップを出来るだけ多く挿入しました。 これらの番組については,現在まで差別的に扱われたというご意見は殆ど頂いておりません。というのは対応したと言えるだろうか。「どの血液型についてもその長所を強調するかたち」というのは、集合論的には、それ以外の血液型ではそういう長所が無いと言っているだけのことで[※1]、差別を解消したことにはならない。「個人差があります」というアリバイ的警告も同様。個人差が著しくあるのなら、「傾向」すら語れないはずだ。 次に 今後,血液型を扱う際には,教育関係の方から青少年委員会に寄せられた「子供たちが占いや血液型診断を信じ、いかに影響を受けやすいかを知っている。」というご意見を深く受け止め,更に慎重な番組制作を行っていくつもりでおります。という部分だが、影響を受けるのは子どもたちばかりではなかろう。幼稚園児の「血液型別実験」などをやれば、親たちが偏見を持つことは十分に考えられる。じっさい、幼稚園で子供の血液型により、絵の書き方、性格がわかるらしく良く見ていなかったので教えてください。などという質問が寄せられているではないか。 もう1つ、 私たちは2001年に放送した『スパスパ人間学!貴方の知らない本当の性格・好かれる理由・嫌われる理由スペシャル』の中では、血液型診断については、「基本的に否定する」立場にたって取り扱いました。免疫学の研究は大いに結構。しかし、「指摘され始めています」程度のレベルからどうして「新しい研究成果をもとに幼稚園児に協力していただき」という飛躍になるのだ。北大教授のSとやらが研究者生命をかけて ●A型が几帳面、繊細、慎重であるのは、免疫力が弱いから ●O型が社交的なのは免疫力が強いから などと主張しているなら、その証拠を見せてもらおうじゃないか。 最後に、 特に心理学の分野では血液型と性格の関連は否定されているという事は十分に認識致しております。という箇所だが、これは大いに誤解を招く。こちらにも述べたように、そもそも「血液型と性格は関連あるかないか」というような二者択一の議論を設定すること自体が間違っているのである。何かの調査で「絶対に関係が無い」などと実証することは原理的に不可能、しかしだからといって「関係がある」ことが肯定されたわけではない。研究を進めるにあたって、どういう作業仮説を持ち続けるか、このことの理解無しには学術的な議論はできない。 ま、それはそれとして、昨今のTV番組は、学術的な議論以前の、人間の尊厳に関わる重大な問題を抱えているように思う。仮に、ある特性について血液型による違いが検証されたとして、だからといって、それをネタにして、特定の血液型者を笑いものにしたり、結婚や就職の差別をもたらす恐れのあるような番組を作ってよいものかどうかは別である。 時間が無くなってきたので、次回にこのあたりの考えを述べたいと思う。 [※1] 性格の特徴は普通、平均より高いか低いかという形で相対的に表現されるものだ。それゆえ「X型には○○という長所がある」と表現することは、論理的には「X型以外では○○の傾向が平均より低い」と言っていることと同じ意味になる。 [※2] 10月6日夕刻の時点で、ホムクルはリストから外されていた。番組が終了したことによる機械的な更新なのか、どこかで批判されたためなのかは不明。 |