じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典

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[今日の写真] [今日の写真] 低気圧・寒冷前線の通過で北日本を中心に大荒れの天気となっているが、岡山は26日夕刻に小一時間雨が降っただけ。大学構内では早くも菜の花と水仙の花を見かけるようになった。


11月26日(金)

【ちょっと思ったこと】

パソコンはテレビを視る道具か

 ボーナスシーズンが近いせいだろうか、最近、パソコンの全面広告をよく見かけるようになった。そんななか、某大手メーカーが「テレビを長時間録画しDVDに保存できるパソコン」の宣伝をしていた。ワイド液晶ディスプレイつきでそこそこの値段。ちょっぴり心が動かされてしまう。

 しかし、一晩たって思い直してみるに、そもそもパソコンというのはテレビを視る道具なのだろうか。少なくとも私自身の場合、テレビを視る場所とパソコンを使う場所は分かれているし、時間帯も違えば、くつろぎ方も違う。それと、しばしば、パソコンを使っている時間に、夜の番組をDVDハードディスクに録画しておくことが多い。パソコンのハードディスクに録画しながら、同時にパソコンを使うということも不可能ではないと思うが、処理速度が遅くなるようではたまらない。

 パソコンでテレビを視るというのは、たぶん、高速の光回線経由を利用する場合を想定しているのだろうが、私の家では当分その予定はない。ま、デジタル放送一本になった頃には、電波経由にするか光回線経由にするか検討することになるだろう。




“アカハラ”の教授解雇の謎

 各種報道によれば、九州大学は25日、同大大学院人文科学研究院の男性教授(58)を諭旨解雇処分にしたと発表した。

 アカデミック・ハラスメントやセクシャル・ハラスメントに対して厳正な処置を行うことは当然であろうと思うが、伝え聞く限りでは、いくつか疑問が残る。

 まず、この教授は1982年から最近まで、大学側が確認しただけでも約60件の嫌がらせを行っていたというが、であるとするならば大学はなんと22年間もこの問題を放置していたことになる。今回の処分は、「昨年12月に学内のセクハラ等対策委員会に、学生や大学院生、卒業生の男女計45人が被害を訴えて問題が発覚」したというが、それまで21年間はなぜ「発覚」しなかったのだろうか。また、調査をするのに、昨年12月から1年間もかかってしまったのはなぜだろうか。

 最近ではどの大学でも授業評価アンケート、意見箱、セクハラ相談窓口などを設けているはずだ。例えば、授業のやり方について問題があれば、学生による授業評価はとうぜん悪い結果になるはず。その時点でなぜ未然に防げなかったのだろうか。誰も訴え出なかったためなのか、それとも、訴えを闇に葬っていたのだろうか。このあたりの調査が待たれることだ[]。

 「学生に再三専攻の変更を迫る」ことがアカハラにあたるかどうかは、もう少し詳しい情報が無いと何とも言えない。学生の適性や能力を考えた上での指導であるならばアカハラとは言えない。反面、研究室の都合や教員の主観だけで執拗に変更を迫った場合はアカハラになるだろう。

 「学会で学生を困らせるような質問を浴びせる」というのは、どういう学会のことだか知らんが、不適切な質問が出た場合には、司会者が制止するのが当然。また、少なくとも私が不適切な質問をされたら、「その質問は不穏当だ。撤回と謝罪を要求します」と大声で怒鳴り返すだろう。

 けっきょく、(それが事実であるならば)納得できると思われる解雇理由は、「学生の家庭状況をほかの学生の前で繰り返し話す」、「送別会で女子学生の体を触る」という部分のみ。いやそれだけでも十分な解雇理由になるとは思うけれど。

11/27追記]
 授業評価アンケートの結果は、担当教員個人ばかりでなく、その教員の属する教育組織全体にもフィードバックされているはず。また、最近では、アンケート結果を公開する大学も増えている。

 従来、多くの大学において、他の教員、特に目上の教員の授業のやり方については文句をつけない、口をつぐむという悪しき風潮があったことは確かであるが、これからの時代は、教育組織の責任において授業改善を行うこと、問題が指摘された場合には年齢や職種にとらわれずに遠慮無く意見を出し合うこと、改善のためのサポート体制を充実していくことが必要。私の大学でもそのようにつとめていきたいと思う。