じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
久しぶりの雨の中、気持ちよさそうに動き回るカタツムリ。後ろのアジサイも生気を取り戻したようだが、大雨と洪水が心配(↓の記事参照)
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【ちょっと思ったこと】
渇水対策から一転して大雨洪水警報 昨日の日記で、岡山の6月の総雨量が24ミリにとどまったと書いた。ところが月が改まった7月1日からは断続的に強い雨が降り、WEATHER SERVICEの情報によれば7月2日午前6時現在、岡山市の24時間積算雨量は57.5ミリ、72時間積算では66.0ミリに達している。わずか1日にして、6月の総雨量の2〜3倍の雨が降ったのだから驚きである。 もっとも、リアルタイムレーダーや各地のデータの速報値を見ていると、現在大雨となっているのは、広島南部、岡山南部、香川、徳島といった一部の地域に限られているようだ。岡山県の三大河川の水源域や、四国山地西部ではそれほどの大雨は記録されていない。今後の雲の動きに注目していく必要がある。 郵政民営化法案反対派議員 郵政民営化関連法案がいよいよ、週明け4日に特別委員会で採決される段取りとなったが、これをめぐって自民党執行部と党内反対派議員との対立が続いている。しかし、反対派議員の動きというのは、国民の利益を守るための闘いではなく単に、郵政の族議員として既得の利権を守ろうとしているに過ぎないように見えてしまう。 各種ニュースでは「【自民党執行部は】週末を迎えて、地元に戻る議員が多く、法案への賛否を決めかねている議員に対しては、選挙区の特定郵便局長らが法案への反対や採決への欠席を強く働きかけるのではないかと警戒しています。」などとも報じられているが、態度未定義員がこういう形で反対や欠席にまわったとすると、要するに自民党議員の中には、特定郵便局長の支持を得て当選している議員がおり、また、今回の法案は、特定郵便局長の利益を損ねるから反対しているのだという印象を受けざるを得ない。党内手続の問題点や党議拘束の是非をめぐる主張は党内部の問題であって国民の関心事ではない。 法案に反対している野党の行動にも解せないところがある。私の誤解かもしれないが、ある時は審議を拒否しているかと思えば、こんどは審議が尽くされていないから廃案だ、などといって、内容に踏み込んだ主張がちっとも見えてこない。まずは反対ありき、あとから、反対に都合の良い理由を何でもかんでもかき集めてきているような印象がある。 「市場原理万能主義」に反対するというのが野党の方針であるならば、郵政以外のあらゆる政治課題を含めて一貫した主張を展開すべきであり、対案として「市場原理」に代わる新たな「原理」を持ち出し、その効用を訴えていく必要がある。それがないと、特定郵便局長や郵政職員の利害だけで動いているとの印象を与えかねず、自民党反対派議員と手を組んでいるようにも見えてしまう。 私自身は、郵政民営化が良いか悪いか、積極的に意見を述べるだけの根拠を持ち合わせていない。しかし、これまでの動きを見ていると、積極的に反対する理由は見あたらず、結果的に消極賛成に近い立場になってしまう。確かに、郵政民営化が実現すれば、郵便局の既存のサービスは一部低下するだろう。しかしこの議論は、利用者個人の目先の便益でメリット、デメリットを比較するような性質のものではない。長期的に見て、日本の経済にどういう効果をもたらすのか、それを見据えた主張でないと、耳を傾ける気にはなれない。 そういえば少し前、某評論家が、「この法案は鋭い対立がある限りは意味がある。修正されて対立が解消されてしまったらもはや意味がない」というようなコメントをされていたが、まことにもっともだと思う。この法案において鋭い対立があるのは、国民の利便性というようなものではない、構造的な対立であり、これが通れば、民営化が成功しても失敗しても、後世の歴史教科書に載るくらいの意味のある出来事となるはずだ。 |