じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真] [今日の写真] 岡山・後楽園の桜。土日が雨になるというので、夫婦で、金曜日の夕刻、駆け込みの花見に行ってきた。閉園間際だったため入園者はまばらで、静かな環境のもとでソメイヨシノの花びらの絨毯(写真左)と、満開のシダレザクラ(写真右)を眺めることができた。



4月14日(金)

【ちょっと思ったこと】

電話勧誘者はすべて悪人という前提

 4月12日の日記で「未公開株めぐるトラブル急増というが」という話題を取り上げたところであったが、4月15日朝のNHK「おはよう日本」でまたまた同じ「ニュース」がトップ項目で紹介されていた。特に目新しさが無いのになんでトップ項目なのか、と思ったが、どうやらその後の取材内容を「特集」として伝えたかった模様である。

 もっとも、取材を受けた被害者(中年の主婦)の話を聞いていると、その無防備さにあきれるばかりだ。(あくまで長谷川の記憶に基づく→)少し前にネット株取引を始めていたところ、ある日、業者から電話で「同窓会関係者限定の情報」としてIT企業の未公開株購入の話が持ちかけられてきたという。その話が分かりやすいものであったので、知り合いにも紹介して1株300万円で3株を購入したが、その後、当該企業に問い合わせたところ上場計画は未定であることが判明。業者は200万円で買い戻す約束をしたが未だに返金は行われていないとか。

 私の研究室にも時たま勧誘の電話がかかってくることがあるが、私の場合は最初から態度はハッキリしている。要するに、教育・研究・管理運営活動以外の目的で電話をかけてくるというのは、業務妨害以外の何物でもなく、そういうことをするのはすべて悪人であるという前提である。したがって、私の対応は、受話器を放り出して無言状態を続けるか、さもなければ「2度と電話するな!」と相手を罵倒するか、2つに1つ。某有名教授からかかってきた電話を悪徳業者だと勘違いして罵倒しかけたこともあったが...




 この日記にも前に書いたことがあるが、私は、電話をかけるという行為自体、通話先の相手を一定時間拘束する迷惑行為だと考えている。まずはEメイルで、Eメイルがどうしても使えない時は郵送文書にて事前依頼をかけ、相手が了承した時に限って電話で詳しく説明するというのが礼儀である。

 電話をかける相手というのは、よっぽどの暇人で無い限りは、必ず何かに従事しているはず。面談中かもしれないし、重要な考え事をしているかもしれない。電話をかけるということはそれらの中断を強制し、相手を一定時間拘束することになるのだ。もちろん「いま忙しいので後でかけ直してください」と応じたり、重要な用件に関わっている時には在室中でも電話に出ないといった対応は考えられるが、それでも相手を何かしら拘束することに変わりはない。もちろん、緊急な連絡や、親しい間柄での歓談は別だが、電話で何かを問い合わせたり依頼をするというのは本質的に相手に失礼な行為であるということを自覚する必要がある。電話で勧誘などというのは、自分の主張を相手に押しつけて一儲けをたくらむ悪徳行為であり、もってのほかだ。




沢田允茂先生ご逝去

 各種報道によれば、沢田允茂先生(さわだ・のぶしげ=慶応大名誉教授、元日本哲学会会長)が14日、心筋こうそくのため89歳で亡くなられた。

 大学院生の頃、沢田先生の著作を何冊か拝読したことがあった。実際に一度だけ、心理学系の学会のシンポジウムでお話を伺ったことがあった。その時、シンポ企画者の佐藤方哉先生から「哲学史研究者ではないホンモノの哲学者」として紹介があったように記憶している。このほか、カール・ポパーの来日公演があった時にも会場でお見かけしたことがあった。「ご冥福をお祈りします」と申し上げたいところだが、沢田先生の思想の上で「冥福」がどう位置づけられていたのかは不明なので、「謹んでお悔やみ申し上げます」とだけ表明させていただく。