じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
昨日の日記の続き。永田町から千鳥ヶ淵、靖国神社を通って法政大学まで歩いてみた。
法政大学を訪れるのは今回が生まれて初めて。この大学が靖国神社と隣り合わせに位置しているということは全く知らなかった。写真は、靖国神社内の神池庭園から見える法政大学の高層校舎。 ところで、永田町から法政大学までの道のりは、この地図の下端中央やや右から上端中央やや右までとなる。かなり長い距離を歩いたように思っていたが、岡大西門を上端中央に位置させた同縮尺の地図で比較してみると、岡大西門から岡山駅までの道のりより遙かに短いということが分かった。いつも地下鉄で移動しているので気づかないが、東京都心というのは意外と狭いことを実感した。 |
【思ったこと】 _60708(土)[教育]高等教育セミナー(3)学部・大学院と連携したeスクール FD関係のセミナーの1日目の3番目は、教員組織再編とeスクールに関する話題であった。 ここで紹介された大学は、全国でもトップクラスの規模であり歴史も古い。それだけに、学部ごとの独立性が高く、教員組織の再編は難しいのではないかと思われたが、学部そのものの独立性は保ちつつ、学部と大学院や研究所の管理運営上の諸問題に柔軟に対応するという目的で、系統ごとの新組織を設置したとのことであった。 旧来の学部の独立性は変わらないようだが、研究テーマに応じて、それぞれの系統から横断的に組織されたバーチャルな「プロジェクト研究所」というのが100を超えているという。また、異なる学部の1〜2回生が集まって広範囲にわたるゼミを行うという「テーマカレッジ」が人気を集めているという。このあたりは私の大学でも大いに参考になりそうだ。 さて、本題?のeスクールの話題に入るが、ここで紹介されたeスクールには
ところでネット上での学習というと、受講生がネット上のコンテンツ(文章や図版などのインストラクションデザイン)にアクセスするという学習形態を連想しがちであるが、ここではむしろ、教員が教室で講義を行っている様子を動画で配信するという形態のほうが重視されているように見受けられた。 実際、講義の様子を映し出す動画のほうが、教員の熱心さが伝わりやすい。いわゆるパラ言語の提示にもあたる。また、これはあくまで私個人の考えであるが、コンテンツ作成を考えた時にも、講義を録画して編集するやり方のほうが、手間も時間も遙かに少なくて済む、というメリットがあるものと推測される。 このeスクールの受講生には社会人や主婦が多く、また年齢は30歳代が多いということであった。会社での仕事や、子育てに忙しい主婦にとっては確かに便利な学習機会であろう。このスクールの受講者はある程度の選抜を受けているが、入試に合格するための受験勉強までは必要無い。授業料は全日制並みだが、実際に授業を受けたのと同じように単位が認定されるようだ。 質疑の時間に私自身が発言させていただいたことでもあるが、もし純粋に「学ぶ」ことを目的としているのであれば、高い授業料を払って受講するメリットはあまり無いように思える。ネット上では、自由にアクセス可能なコンテンツを巡回するだけでもかなりの学習ができるし、あとは必要に応じて専門書を読めばよいはずだ。であるならば、多くの受講生の目当ては、単に学ぶ機会を得るということではなく、むしろ、自分が学んだことを単位取得という形で公的に認定してもらうことにあるのではないかと思う。またその認定は、名も知られていないような民間機関ではなく、やはり、一流の大学でなければなるまい。そういう意味では、eスクールは受講生のニーズを満たす一方、一流大学のビジネスとしても充分成り立つように思える。 さて、こういうeスクールで問題になりそうなのは、代理受講による単位取得であろう。学ぶことだけが目的であるならば本人になりすまし、タダで受講するという不正が起こりうるが、ここではむしろ逆に、学ぶ意欲はない(もしくは、時間が全く無い、学力が明らかに不足している)が、とにかく単位を取りたいというケースが問題だ。例えば、学歴にコンプレックスを感じている政治家が、単位取得だけを目的に受講したとする。と言っても、実際には秘書に受講させ、最終試験まで代理で受験させたとする。通学制であれば試験会場で学生証の確認を行うことができるが、ネット上だけのやりとりでは最後まで本人かどうかの確認ができない。というようなこともありうるので、やはり、単位認定の前には、何らかの形で本人確認ができるような試験を実施することが望ましいのではないかと感じた。 次回に続く。 |