じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[今日の写真] 岡山は連日の雨。7月19日6時現在で、72時間積算雨量は108.5ミリとなった。岡山市の7月の降水量平均値は160.0ミリであるが、今年はすでに7月18日までで147ミリ、7月19日6時までで47.5ミリを記録しており、早くも7月の平年値を突破した。


7月18日(火)

【思ったこと】
_60718(月)[心理]スキナーの言語行動論とPECSの活用(4)日常生活体験との対応は?

 7月7日の夜に行われた

●自閉症児にコミュニケーションを教える指導法 PECSと言語行動論
講師:Andy Bondy ,Ph.D 〔Pyramid Educational Consultants, Inc.〕

という特別講義出席の感想の4回目。今回をもって最終回としたい。

 さて、今回紹介されたトレーニングは、自閉症児が、自分をとりまく状況や文脈に応じて、適切にマンドやタクトを自発し、他者との適切なコミュニケーションがとれるようになることを目的としたものであると理解した。

 トレーニングは、もっぱら「適切な言語反応を増やす」ことを目ざしているように思われたが、例えば、独り言や、状況・文脈と無関係に叫び声をあげるといった行動にどう対処していくのかについては、講演を伺った限りではよく分からなかった。

 またトレーニングは、理論上は、自動車学校の教習と同じようにいくつかの段階をクリアする形で実施されているように見えたが、現実の日常生活では、マンドやタクトが必要な場合もあれば、イントラバーバルだけということも起こりうる。言語行動が
...“聞き手”が話し手の行動をそのように強化するように、[言語共同体によって]、条件づけられている場合”(p.225)
という定義されている以上、対象児をとりまく言語共同体をどう構築するのか、そのこととトレーニングをどうリンクさせるのかも知りたいところであった。

 さらに、多種多様なマンドやタクトが発せられるためには、豊富で多様な体験が必要である。草花、昆虫、動物などは、カードに描かれた絵ではなく、実際に五感で受け止めて初めて言語化の対象となるべきものである。となると、多様な体験とセットにした、関心空間&言語リパートリー拡大が求められるはずである。

 なお、今回の講演者のWebサイトがhttp://www.pecs.com/にある。今後も学んでいきたいと思う。