じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
大学構内には何匹かの猫が棲息しているが、縄張り争い、ネコエイズ、衛生管理強化などによって、長期間同じ場所に住み続けることはなかなか難しいようだ。
写真左は、2004年10月1日の日記に掲載したネコ一家の写真。この中で、今でも見かけるのは写真右の1匹のみ。なおこのネコは、2004年5月22日の写真にも写っている。 左側のもとの写真の4匹のうち、前から2番目といちばん後ろのネコは、現在はボランティアの家で飼育されているという話を聞いている。一番手前のネコは、前から2番目に追い出されてその後事故死したという噂があるが定かではない。こちらの写真にもあるように、この近辺では同じ毛並みのネコが複数目撃されており、別の場所で新たなネコ一家を作っている可能性もある。 |
【思ったこと】 _60728(金)[心理]卒論中間発表会(2)ロビンソン・クルーソーが使える心理学を目ざせ 昨日に続き、卒論中間発表会の感想。 今年度の発表内容では、「尺度」という言葉がやたらと多く聞かれるようになった。これは、改組後の新カリキュラムの中で、専任教員のもとで心理統計学関係の授業が整備された成果であり、岡大の文学部心理学の教育の質を保証するという点で、大きな前進であると評価できる。 但し、私個人は、心理尺度や構成概念は、人間行動を理解するため必要条件にはならないとの考えを持っている。学部の専門教育は実質2年半にすぎず、その中でスキルとして「尺度」のことをみっちり学ぶことは重要であると考えているが、何でもかんでも、質問紙法でデータを集めて、ワンパターンの解析しかできないというのも困る。もっと別のやり方もできますよ、ということを合わせて知っておいてもらいたいところだ。 そんな考えもあって、発表会終了時の講評では「ロビンソン・クルーソーの心理学」という例え話をしてみた。ロビンソン・クルーソーは、小説の主人公であるが、無人島に漂着して、独力で28年間にわたる生活を築いた人物として広く知られている。この小説には実在のモデルがあったという説もあるし、また、横井庄一氏や、小野田寛郎氏の実例からみても、単なるフィクションとして扱うわけにはいかない。とにかく、ここでは、「長期間にわたって単独生活を続ける」という象徴的な意味で使うことにする。 さて、ロビンソン・クルーソーのような逞しい人でも、時には、孤独に耐えられなくなることもあれば、やる気が起こらないという日もあるに違いない。しかし、そいういう問題を解決するために「孤独尺度」や「やる気尺度」のようなものを作ろうとしても、他に住人がいなければ調査研究を行うことができない(後にフライデーと生活を共にするようになるが、その場合でも、このやり方では、フライデーとの相対比較しかできない。 このほか、この島では「公共的一致」を真理基準とした理論は作れない。 では、ロビンソン・クルーソーは、どういう方法を用いたら、自分で自分の行動を分析し、行動改善に役立てることができるだろうか。例えば、丸太を削ってボートを作るという行動を成し遂げるためにはどういう行動計画が有効であろうか。というようなことを考えてみるに、やはり、行動分析学的な視点は不可欠。被験者(調査対象者)が少なかったので結論を出せませんでした、などと悩むこともなくなる。 ま、そうは言っても、とにかく、卒論研究を仕上げることは重要。夏休み、気を抜かずに頑張ってください。 |