じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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12月5日の岡山は最低気温が0.8度まで下がり、霜が降りた。大山・中の原では、すでに数日前からかなりの積雪となっている。 |
【ちょっと思ったこと】
富士山の冠雪とこの冬一番の寒さの関係 ↑にも記したように、12月5日は各地でこの冬一番の寒さとなった。そんななか、Yahoonoの写真ニュース(毎日新聞提供、12月6日朝時点では、まだこちらに残っている)に この冬一番の寒さで真っ白に冠雪した富士山=静岡県富士宮市で4日午前9時50分、本社ヘリから森田剛史写すという記事が掲載されていたが、少々ツッコミを入れさせていただくならば、「この冬一番の寒さ」ということと「真っ白に冠雪した」ということはあまり関係がないように思う。 富士山の冠雪と言えば、11月12日の上京した時にもすでに真っ白に冠雪しているのが見えていた。富士山は太平洋側に位置した山なので、強い冬型や高気圧に覆われた日にはあまり雪は降らない。雪が降るのはむしろ、冬に太平洋側を低気圧が通過した時である。ま、都心あたりから富士山が見える時は、冬型の気圧配置で空気が澄んだ時に限られるので、より正確な見出しとしては ●この冬一番の寒さで真っ白に冠雪した富士山 という「寒さ→真っ白に冠雪」という因果関係を連想させる表現ではなく、 ●すでに真っ白に冠雪していた富士山が、この冬一番の寒さでくっきり見えた ということになるかと思う。 |
【思ったこと】 _61205(火)[心理]日本心理学会第70回大会(11)その安全対策は有効ですか?(3)不安全行動のプロセスを重視する 日本心理学会第70回大会シンポジウム: ●その安全対策は有効ですか? 〜心理学の視点で考える交通・産業・医療のヒューマンエラー・違反の防止策〜 の感想の3回目。U氏の ●産業界の安全活動の現状と課題 という話題提供の中で、なるほどと思ったのは、表面的に挙げられる「直接原因」ではなく、それの背景や、不安全行動に居たるまでのプロセスを重視して分析を行った点であった。 例えば、安全点検作業を省略したために起こったヒヤリハット(もしかしたら事故になりかねなかったちょっと危険な事例。「ヒヤリ」とした、「ハッ」とした、からの造語)について、現場作業員に聞き取りを行うと、たいがい、「大丈夫だと思い込んだ」、「急いでいた」、「面倒くさかった」という答えが返ってくる。これを円グラフにして、「大丈夫だと思い込まないようにしましょう、急いでいて作業を省略しないように、面倒くさがらないように」などと呼びかけても、それだけではたぶん、事故防止には役立たない。これに対して、U氏の調査ではさらに踏み込んだ分析が行われている。例えば「急いでいたから」という理由については、なぜ急いでいたのかを詳細に調べていく。そうすると例えば「上司関係:上司にせかされた」、「顧客関係:顧客にせかされた」、「他者競争:同僚に負けたくなかった」、...というように「急ぎの背景」が浮かび上がってくる。もし、急ぎの主要な原因が「他者競争」にあったとするなら、その現場で競争が起こらないように配慮すればいい。そういう対策は、単に「急がないように」と呼びかけるより遙かに有効であろう。ここでは省略するが、「大丈夫だと思い込んだ」や「面倒くさかった」についても同様である。 このほか、棚の上の荷物を取るときに、踏み台としてすぐ近くの回転椅子を使ってしまうことの危険事例が紹介された。回転椅子を踏み台に使うと、ちょっとバランスを崩しただけで転倒する危険が大きい。しかしこの場合も、「回転椅子は危険だから使わないように」という呼びかけだけでは不十分。どんな時に回転椅子を使ってしまうのかを考察し、それに対応した防止策をとる必要があるというわけだ。 話題提供の後半では、経験4〜6年の看護師を対象としたリスク研修の内容が紹介されたが、ここでは省略させていただく。 次回に続く。 |