【ちょっと思ったこと】
「やらせ」とは何か/「やらせ質問」と指定討論者の役割
昨日の日記でタウンミーティング「やらせ質問」給与返納に関連する話題を取り上げた。その額は別として、給与返納に至ったのは、とにかく、「やらせはいけない」という前提があるからに他ならない。
しかし、このことについては、そもそも、ああいうイベントを「やらせ」なしでやる方が無理だという意見もある。
そこでまず「やらせとは何か」についてネットで検索してみた。
- ウィキペディア(但し、「半保護」)
やらせとは、事実関係に作為・捏造をしておきながらそれを隠匿し、作為等を行っていない事実そのままであると(またはあるかのように)見せる・称することを言う(事前に打ち合せをしておきながら、偶然通りがかった人として振る舞わせるなど)。
新聞やテレビなどメディアにおいて行われるやらせを指すことが多く、その場合にはヤラセとも表記される。元は業界用語であったが、「やらせ」が発覚して社会問題となった事で一般用語化する。
- 日本語俗語辞書
やらせとは、メディアが作った虚偽の報道をすること。
【年代】 1985年 【種類】 −
やらせの解説
やらせとはテレビや新聞などで事実にはないことを演技させ、その映像や写真を使った虚偽の内容を報道することである。やらせは元々業界用語であったが、1985年テレビ朝日『アフタヌーンショー』の報道にやらせがあったとして話題となり、一般にも浸透した。
また、報道に関係なく、事前に打ち合わせた内容を自然に振る舞わせる様々な行為に対してやらせが使われるようになる。バラエティ番組における見学客のスタッフの合図で起こる拍手、露天の『さくら』もやらせの一種である。
このほかにも、多数のサイトに解説があったが、似たり寄ったりであった。
タウンミーティングがどういう筋書きで展開されたのかはよく知らないが、例えば学会のシンポジウムで私が「フロアからの質問者」として指名されたとする。この場合、
- 事前に何の打ち合わせもなく、その場の成り行きで私が挙手し、私自身がその時に感じた疑問を述べた。
- フロアから全く挙手が無いとシラけるので、そういう時には何か質問してくださいと主催者から事前に依頼された。
- シンポジストからあらかじめ話題提供資料を受け取り、どういう質問をするか打ち合わせておく。
といったケースが考えられる。このうち、2.や3.は厳密には「やらせ」ということになるのだろう。
もっとも、聴衆の側から言うと、フロアからの質問というのは往々にして
- 日頃発言の場が無い人が、シンポの話題とは殆ど関係の無い自説を長々と垂れ流す。
- 質問者個人の私的興味を満たすだけの質問
- 一言居士による新鮮味に欠けたコメント
に終始することが多い。聴衆の利益を考えるならば、場当たり的な質問を自由に許すよりは、事前に打ち合わせておいて、話題提供と、打ち合わせに基づく質問をセットにしてシンポを完結させたほうが生産的である。そういう役割を果たす質問者は、普通、「指定討論者」と呼ばれる。もっとも、事前の打ち合わせが不十分であると、「指定討論者」が、直前の話題提供とは関係の無い新たな「話題提供者」になってしまうということも少なくない。
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