じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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[写真]

モンゴルのアマルバヤスガラント寺院(Amarbayasgalant Monastry)正面。


8月24日(金)

【思ったこと】
_70824(金)[旅行]モンゴルで思ったこと(2)世界最北?の大規模寺院

 モンゴル滞在実質1日目(8/12)に、北部にある、アマルバヤスガラント寺院を訪れた。当初計画のコースでは、ウランバートルから西に進みザーマル平原を抜ける予定であったが、道路工事の影響で、北寄りのコースに迂回。これが幸いして、立ち寄ることになった(こちらの地図参照)。

 Googoleで「アマルバヤスガラント寺院」を検索すると16件、英文で「amarbayasgalan」を検索すると13100件ヒットする。それらに記されていたのは
  • モンゴル国内最古の寺院
  • 釘を一本も使わないで建立
  • 社会主義時代の破壊を免れたお寺の中では最も保存状態がよい
  • 世界文化遺産候補地
  • Amarbayasgalant Monastery was build between 1726 and 1736. It is dedicated to Undur Gegeen Zanabazar and build by Ankh-Amgalan Khaan (Yongzheng?) in Manchu style.
などの情報であったがいずれも真偽は未確認。

 さらに検索したところ、こちらに解説があった。なお英語表記では「AMARBAYASGALANT MONASTERY」となっており、直訳すれば「MONASTERY」は「僧院/修道院」という意味になる。

 この寺院は、モンゴルでは最も北のほうに位置している。仏教寺院自体は、ロシアのブリヤート共和国(ダツァンと呼ばれている)のほか、モンゴル国内の北緯50度30分、東経102度のあたりに「Dayan Deerhi」という寺院のあることが分かっているが、建造物の古さや規模を考慮に入れれば、実質的にはこの寺院こそが、世界最北の大規模寺院と言ってもよいかもしれない。

[写真] [写真] [写真] [写真]  さてこの寺院だが、写真左にあるように、かなりの悪路や、小さな川を渡らないと到達できない所がある。車高の高い四駆でないと、かなり苦労するものと思われる。


[写真] [写真]  写真左は、寺院正面の遠望。


[写真]  入口の額(扁額?)には、モンゴル風の縦書き文字2種類(モンゴル文字あるいは満州文字?)に加えて、漢字で「■(來+力)建慶寧寺という表記がある。そう言えば、北京の故宮博物院の各種建物の扁額でも、漢字と満州文字が並記されていた。ネットの情報によれば、このお寺は1726年〜1736年に建立されたということなのでちょうど清朝の時代。故宮の建物との共通性があって当然かもしれない。


[写真] [写真] [写真] [写真]  入口から入って目を引いたのは、正面の黄金の飾り(←この金の飾りを何と呼ぶのか忘れてしまったが、ラサ・大昭寺の屋上の飾りとよく似ていた )のほか、屋根の上に並んで取り付けられていた動物の飾りであった。どっかでそっくりの見たことがあるなあと思って、帰国後に写真ファイルを探してみたところ、...

追記]チベットのガイドブックによれば、ラサ・大昭寺の屋上の飾りは「金色臥鹿」と呼ばれていた。ネットで検索したところ、「金色臥鹿(The Holy Wheel of Double Deer)は、仏様が、インドのサルナート(鹿野苑)で最初に説法した時に、5人の修行者と森に住む鹿が聞いていたという故事にちなんだデザイン」という情報があった。

[写真] [写真] 左の写真と酷似していることに気づく。ちなみに、左の2枚の写真は、アマルバヤスガラント寺院ではなくて、北京の故宮博物院の中で撮影したものである。ガイドブック等によれば、これらの動物たちは神獣であり、皇帝が居た太和殿の屋根には、先頭の仙人のほかに9の数だけ神獣が配置されている。アマルバヤスガラント寺院の屋根飾りのほうは、3、5、7などの数となっているが、これは先頭の仙人を含めての数である。仙人を除いて奇数個配置するはずだと思っていたが、...。


[写真] [写真]  左の2枚は、本殿内部の様子。灯明の油入れにペットボトルが使われていたり、読経を伝えるためと思われるアンプが設置されているなど、グローバリゼーションの影響も見え隠れしていた。


[写真]  最後の写真は、本殿奥の別の建物前で五体投地のお祈りをする人。これ以外の場所でも、五体投地のお祈りをする人は数回見かけたが、チベットのように、五体投地礼を繰り返しながら巡礼をする人たちには一度も出会わなかった。また屋根にタルチョをつけている民家を多数見かけたが、モンゴルでは、そのような飾りをつけている民家を目にすることはなかった。