じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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雨の少ない毎日が続いていた岡山であったが、24日から25日にかけて、かなりまとまった雨が降った。25日朝6時までの72時間雨量は24.5ミリ。
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【思ったこと】 _70924(月)[心理]日本心理学会第71回大会(7)構造構成主義の展開(1) 日本心理学会第71回大会の参加感想の7回目。大会2日目(9月19日)の朝は、 ●21世紀の思想と人間科学のあり方〜構造構成主義の展開〜 というシンポジウムに参加した。このシンポの企画者、話題提供者、指定討論者は以下のようになっている(敬称略。#印は、日本心理学会の非会員。指定討論者のうち1名は、当日、事情により欠席された)。
●わかりあうための思想をわかちあうためのシンポジウム(第一回構造構成主義シンポジウム) を拝聴したことがあり、その時の感想は、こちらにまとめてある。 前回は、全く初めてであり、養老孟司氏や池田清彦氏の名講演は興味深く拝聴できたものの、構造構成主義の正体を掴むまでには至らなかった。今回は、私自身の考えと比較して、どのあたりが論点になりそうなのかが、かなり分かってきた。なお、構造構成主義に関しては、こちらにも紹介されているように、多数の関連書が出版されている。その大部分はすでに入手しているのだが、うーむ、私にはとうてい、読破する時間的余裕が無い。そう言えば西條氏のブログ(3/21付け)では、 興味深いことに、ムチャクチャな批判をする御仁に共通している点は、本をちゃんと、あるいはまったく読んでいないっていうこと(関心のズレによる批判はまた違う次元の話)。というように、「読まないで批判する」ことが批判されている。このロジックで言えば、御著書を読破する余裕の無い私などは、生涯、批判者の立場に立つ資格は無いということになろうが、それにしても次から次へと本を出されるエネルギーはスゴイものだと思う。 ところで、私自身が構造構成主義に関心を持ったのは、何よりも日本発の思想であるということに一因がある。心理学の関連学会で紹介される新しい考え方というのは、大多数が「アメリカではの守(かみ)」タイプ、つまり、米国の著名な心理学者の招待講演を拝聴するとか、米国留学(研修)中に師匠から教わった内容を自身の言葉で再解釈・発展させて伝えるというタイプが大部分なのだが(←それが悪いと言っているわけではない。あくまで、紹介の仕方のスタイルの話)、この構造構成主義は、徹頭徹尾、日本人のオリジナルであるという点で素晴らしいと思う。 それと、これは少々失礼な言い方になるかもしれないが、もし、こういう思想が、30歳代そこそこの若手研究者たちだけで創始されていたとしたら、「この若造が何を言うか」という偏見を持ってしまって、シンポに出たり御著書を買おうという気にはまずならなかったと思う。そういう意味では、池田清彦氏や竹田青嗣氏のバックアップの効果は絶大であると言える。また逆に言えば、両氏ぬきでシンポを開催した時にどれだけの聴衆を集められるかというところが、今後の正念場と言えるかもしれない。 さて、シンポではまず、西條氏から、構造構成主義が多くの領域で浸透しつつある理由として
どうすれば新たな知は創発されるのか?〜「エマージェンス人間科学」を出発点として〜 19日 16:00-18:00で、さらに深められたものと思うが、残念ながらこの時間帯は私は別の会場に出ていて、拝聴できなかった。 次回に続く。 |