じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 薬学部西側の発掘調査現場の跡。専門的なことは分からないが、こちらの情報によれば、岡山大学津島キャンパス内には、縄文時代中期から近代にいたるまでの複合遺跡が広がっているという。大学構内で掘削を伴う工事が行われる際に調査が行われるが、特別に珍しいものが出なければその上にビルなどが建てられるようだ。この現場で疑問に思ったのは中央付近(画面中央、水平方向)が凹んでいること。水田や畑であるならこんな褶曲状にはならないと思うのだが...。


1月16日(水)

【思ったこと】
_80116(水)[心理]某・外食産業の社長の夢(1)

 教養科目の授業で、目標を設定することの行動分析学的意義ということに関連して、2年前にDVD録画してあった某・外食業社長のインタビューシーンを紹介させていただいた。

 目標を設定しそれに向かって努力するプロセスは、充実した人生を実現する上での大きな柱になる。単発的・断片的に「行動→結果」を繰り返すだけではすぐに飽きてしまうが、具体的目標を定めて努力すれば累積的な結果に価値が出てくる。また、達成項目の増加や、大目標に向かっている、などの進捗状況を日々チェックすることは、それ自体、好子(正の強化子)を付加することになり、「やる気」を増やす原因になる。もちろん時には達成状況が芳しくないこともあるが、その場合は、未達成を補おうとしてさらに頑張る(好子消失阻止の随伴性、もしくは嫌子出現阻止の随伴性による強化)ことになり、そうした努力もまた累積的結果をもたらしとして、行動全体を強化する好子として作用することになる。

 DVDで紹介した某・社長は、ウィキペディアの当該項目によれば、10歳の時に母を亡くし、その後父の行っていた事業も清算。その頃に、将来は社長になることを決意する。大学卒業間際の1982年2月に北半球を放浪。経営コンサルタント会社で経理を学んだ後に1年間、運送会社でセールスドライバーとして勤務し、起業資金300万を稼ぐ。その後、みずから会社を設立し、買収などをへて、現在では、全国有数の企業の社長・COEとしてご活躍されている。また、つい最近では、某・介護会社の介護事業者認定取り消しに関連して、一部事業(施設介護)を受け入れ表明したことでも注目されている。但し、DVDに録画したのは2006年の夏であり、介護会社スタートからまだ1年にも満たない時期であった。




 授業でこのインタービュー場面の一部を紹介した理由は、「夢に日付を」 というタイトルにあるような、具体的目標な設定、そのための努力、達成状況のチェックのサイクルがお手本になると考えたからであった。

 この社長は、若い頃から「夢に日付を」と題した手帳型カードに夢を書き込み、それを達成するために毎日毎日やるべきことを手帳に記す。努力によりそれが達成できた時は赤色で消すという習慣を実践してこられた。ここに記されている夢は、「世の中のためになる人になろう」とか「尊敬されるような人になろう」というような抽象的なものではない。「来年3月には売り上げ1000億、利益60億」というようにきわめて具体的な内容になっている。そして、それを日々点検し、達成のための計画は日々点検し、修正していくのである。重要なことは、夢(=具体的目標)の日付は変えないこと、但し、達成に至る計画のほうは状況変化に応じて常に修正していくという点である。

 いっぱんに「新年の決意」にありがちなことは、目標を立てっぱなしにして、具体的な行動計画の実践と点検を怠ることである。この社長の場合は、毎日が元旦であり、夢と今日は直結している。「今日の行動以外に、夢をかなえる可能性っていうのは生まれない」と考え、実践しておられるのである。

 このほか、社員教育においても、ノルマの未達成をしかりつけるのではなく、社員一人一人にも夢を共有させ、その重ね合わせで会社の夢をかなえていくという方針をとっておられることだ。このあたりは、単純な成果主義や、社員個々人バラバラの自己向上型目標設定とは大きく異なっているように思えた。

 もっとも、この社長の方針にも疑問が無かったわけではない。次回に続く。