じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 気象庁は28日、九州南部、四国が梅雨入りしたとみられると発表した。四国は平年より7日、昨年より16日早い梅雨入りとなったが、四国に近い岡山県南部でも今後は雨や曇りがちの日が多くなりそうだ。

 岡山では29日朝06時現在で、24時間積算で37ミリを記録し、まだ水を引いていない田んぼも、写真のように水浸しとなった。


5月28日(水)

【思ったこと】
_80528(水)[心理]いまどきの地域通貨(6)地域商店街の活性化と地域通貨

 5月22日の日記ではもう1つ、

●地域商店街の活性化

としての地域通貨の役割を挙げた。Googleで「商店街 活性化」をキーワードに検索したところがんばる商店街(中小企業庁)など、143万件がヒット(5月29日朝時点)。しかし、「商店街 活性化 地域通貨」のキーワードでは3万9300件に落ち込み、地域通貨は必ずしも活性化の原動力として認識されていないことが示唆された。このほか地域通貨は地域の活性化をもたらすかという富士通総研研究員の方のリポート(2004年7月)も大いに参考になる。このリポートでは、地域通貨のメリットを挙げながらも、神奈川県大和市のLOVES(地域価値交換システム)の事例で
  • 商店にとって、ラブを受け取るメリットが乏しかった
  • 年末にリセットするという仕組みも、使用を促す以前に蓄積する意欲を失わせた。
  • このため、商店にとってもメリットがあるよう仕組みを見直し、リセットする仕組みも中止された。
といった問題点が指摘されていた。この「ラブ」については2005年8月21日の日記でも同様の問題点が引用されており、ネットでざっと検索した限りでは、当該のNPO法人の最近の活動情報を知ることはできなかった。

 このほか、岡山には、

●エコマネー(地域通貨)研究会 BOKKE (ぼっけ)というのがあったはずだが、当該サイトは現在はリンク切れとなっていて現状を把握することができなかった。




 以上、地域通貨を導入して商店街活性化をはかるという取り組みは、試行程度にとどまるものが多く、必ずしも継続的な成果をあげていないように見受けられる。しかし、そのいっぽう、食品スーパー、ホームセンター、レストランなどで、チェーン店独自のポイント制やスタンプカードを導入しているところは相当の数にのぼっているようだ。あくまで個人体験のレベルだが、私がよく行くホームセンター(3系列)はことごとく、ポイントカードのようなものを導入しているし、岡大生協や地域生協でも利用高に応じたポイント付与を行っている。

 ここでいうポイント付与というのは、お金の出入りという点から言えば単なる価格割引と同等であるが、
  • 1回ごとの割引と異なり、ポイントは貯めないと行使できない。よって、常連客を囲い込む効果が期待できる。
  • 割引というのは、お金の支払額を減らすという意味で「好子消失阻止」、いっぽう、ポイント付与は、累積するとサービス券に交換できるため、「好子出現」の随伴性に相当する。後者のほうが強化力が高い。
といった点で、効果がある。少なくとも常連客にとっては、「本日全品5%引き」というよりは「本日ポイント5倍」といったセールを行ったほうが得をしたような気分になれるはずだ。もっとも、通りすがりや、利用頻度がきわめて少ないお客から見れば、「この店は常連客だけを優遇している」というイメージを与えかねない。お店の特徴にもよるだろうが、「ちょっと寄ってみようか」、「久しぶりに買いに行こうか」という行動は、逆に弱化されてしまうであろう。

 次回に続く。