じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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滋賀大・教育学部の特色

 人間・植物関係学会2008年大会参加のため、滋賀大学教育学部を訪れた。私自身の学会発表記録を辿ってみると、1985年に行われた日本動物心理学会第45回大会の時に一度ここを訪れたことがあることが判明したが、23年前のことでもあり、瀬田川沿いに歩いて会場に向かったということ以外は全く思い出すことができなかった。

 このキャンパスは、1学部だけのキャンパスとしてはかなり広く、こちらの資料によれば、敷地面積は15万平米もあるという。文・法・経・教育・工の5学部がひしめく京大・本部構内の16万2270平米に近い。

 写真は、正門入口のメタセコイアと、昔懐かしい赤いポスト。瀬田川の近くにあるせいか、この大学ならではの「とんびに注意」という警告ポスターも見かけた。


6月8日(日)

【思ったこと】
_80608(日)[心理]人間・植物関係学会2008年大会(2)

 6月7日から8日に開催された、人間・植物関係学会2008年大会(学会サイトは、こちら)の参加報告と感想の連載1回目。なお、昨年度大会の感想はこちらに1つのファイルとしてまとめてある。それ以前の大会の感想もこちらにあり。

 さて、大会1日目の午後には、
  • 基調報告1.中瀬勲氏(兵庫県立大学教授) 災害時における植物の役割−私達は植物といかに関わるか−
  • 基調報告2.天川佳美氏(まちづくり有限会社きんもくせい) 植物に助けられた震災復興の取り組み
という2つの基調報告が行われた。

 最初の中瀬氏の講演では、まず、日常時と非常時の共生、緑概念の再構築ということに関連するいくつかのトピックが紹介された。絶滅危惧種の保護の問題などは、スポット的な保護ではなく、地域全体の環境を考える必要があるというようなお話があった。

 次に植物との伝統的な関わりとしては、
  • キッチンガーデン
  • 鎮守の森(畏敬の念、耕地拡大により自然破壊が進んだことへの「お詫び」)
  • 宗教空間(八百万の神)
  • 園芸としての楽しみの場
  • レクリエーション空間
  • 近代的なガーデニング空間
が挙げられ、さらに21世紀型の「植物・緑の機能・効用」についての提言がなされた。

 「従来型」と比べ「21世紀型」では、
  • 単なる環境保全ではなく、生物多様性に配慮した地域生態系の保全
  • 単なる防災機能ではなく、安全と安心を兼ね備えた場の構築
  • 単なるレクリエーションではなく、憩いと癒しとしての場
  • 新たに、文化、歴史、宗教の場、コミュニティ形成、食料生産の場
などの特徴が含まれているというように理解した。

 このことが、具体的に何を意味するのかということだが、例えば街路樹を植える場合、樹種の選定や1本あたりの生育環境基準などは、それぞれの地域の生態系や土壌を考慮して決めるべきであろうということがこれに含まれるようだ。

 また、次の天川佳美氏の講演とも関連するが、大地震などの災害時、植物は、災害現場で新たに芽を出したり花を咲かせたりすることで被災者を癒し、さらには、亡くなられた方の思い出となる植物の成長、復興時の園芸活動など、多面的な形で人々を支える力があるという御指摘もあった(いずれも、長谷川の記憶に基づくため、不確か)。

 次回に続く。