じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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2008年版・岡山大学構内の紅葉(17)ストロボ強制発光のモミジ
昨日と同じ場所のモミジ。快晴の日でも、ストロボを強制発光させると、アメリカフウと同じ明るさでモミジの裏側を撮ることができる。但し、私のデジカメでは発光範囲が限られているので、光りの当たらない部分は黒っぽく写ってしまう。 |
【思ったこと】 _81120(水)[心理]日本心理学会第72回大会(46)well-beingを目指す社会心理学の役割と課題(16) 昨日の続き。 3人の方々の話題提供に引き続き、大竹恵子氏から Well-beingを目指す社会心理学の役割と課題〜指定討論〜 というタイトルの指定討論があった。 大竹氏の指定討論は、昨年の71回大会でも拝聴したことがあるが、前回同様、各話題提供者の論点と疑問点を手際よくまとめられていた。学会のシンポではしばしば、指定討論者に任じられても、話題提供と全く無関係の持論のみを展開する人がおられるが(←私などもその部類かも)、大竹氏の指定討論は少なくとも前半部分において、それぞれの話題に即してなるほどと思わせるような御指摘をされた。指定討論の模範であると言ってよいだろう。大竹氏は、各話題提供に対して、
もっとも、質疑の時間が限られていたこともあり、各話題提供者のお答えを十分に拝聴することはできなかった。 そこで私なりに、上記1.から3.について考えてみるに、まず、1.の相川氏に関するご質問については、やはりポジティブな面でのソーシャルスキルの役割が重要ではないかと思う。人的交流や社会参加の中で充実感を得ている人たちにとってはやはりソーシャルスキルは大切である。但し、私のようにソーシャルスキルが極端に欠落していて、人付き合いをできるだけ避けようとしている者であっても、山や植物や動物とのふれ合いの中にそれなりのWell-Beingを獲得することはできるが。 2.の堀毛氏に関するご質問に関しては、場面や関係性はもちろん重要だが、その中で、行動がどのような随伴性によって強化されているのかを詳細に分析することが大切であろうと思う。要するに、場面とか関係性というのは静的なものではなく、当事者が外部関係に能動的に働きかけ、その直後の結果で強化・弱化(あるいは消去)される中で動的に変化していくものである。少なくとも私の立場から言えば、行動随伴性の内容を把握することなしに、場面や関係性だけでWell-Beingを論じることは不可能である。但し、そうした文脈を調べるためには質問紙調査では限界があり、やはり、対象者個人個人についての行動観察、記録、質的分析がどうしても必要になってくる。 3.の「トラウマ経験後の成長」に限って言えば、ご遺族の個体差というよりも、亡くなられた状況や、亡くなった方のご遺志の差違も反映しているのではないかと思った。また、「人によって何か特徴や傾向の違いがあるのか?」という問いかけは、堀毛氏の話題提供にあった認知-感情システム理論の立場から言えば、すでに「敗退」した、古典的な特性論的理解を連想してしまう。 次回に続く。 |