じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
§§ |
2009年版・岡山大学構内でお花見(4)サクラソウ
時計台近くのサクラソウ。岡大では3月6日午後に前期試験の合格発表が行われた。見事合格された方々にはそのお祝いに、また、残念ながら不合格になった方々には後期試験への励ましとなることであろう。 |
【思ったこと】 _90306(金)[心理]複雑系としての「セラピー」(2) 3月2日の日記の続き。 「○○セラピー」、「○○療法」などを標榜する「セラピー」は膨大な数にのぼっている。 2001年8月に、大学生協の和書検索を利用して関連書籍の点数をしらべたことがあったが、その結果は
今回、改めて同様の検索を行ったところ、2009年3月2日時点では、
この書籍総数4966冊というのは、仮に毎日1冊ずつ読むとすると、おそ13年7カ月を要することを意味する。その13年間にはふたたび新しい書籍が刊行さるものと予想され、読み尽くすことは到底できない。要するに、1人の人間の力だけでは世間にどのようなセラピーや療法が普及し利用されているのか、という全容を把握するとが困難になっている。 「セラピー」や「療法」を含むWebサイトは、上記の書籍点数より遙かに多く、200年3月3日現在では、
このように、乱立と言ってよいほどの膨大な情報が提供されていることは、セラピーに対するニーズが高いことの表れであると言えるいっぽう、さまざまな問題点を含んでいる。 まず、利用者側に甚大な不利益を与える恐れがある。利用者は、どのセラピーにどのような効果があるのかということを客観的に比較するすべを持たない。結果として疑似科学で塗り固められた誇大な宣伝に惑わされたり、悪徳商法、詐欺商法、資格商法、あるいはカルト宗教などの巧妙な勧誘の罠にはまってしまう恐れがある。 第二に、仮に特定のセラピーに顕著な効能があったとしても、それが商標登録され、ビジネスとして展開される限りにおいては、それを享受できるのは裕福な階層に限られてしまう。 第三に、上記とも関連するが、NPOが主宰する「セラピー」や「療法」という名称の中には、現に商標登録されているものも少なくない*2。これらは便乗商法を阻止するという点で不可避である反面、「家元」の許諾なしに新たな手法を開発したり、競争原理のもとで切磋琢磨して改善をはかるということが困難になってくる恐れもある。 次回に続く。 |