じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
【ちょっと思ったこと】
メタボ対策の「一無、二少、三多」 メタボ対策 「一無、二少、三多」の勧め という見出しのネット記事を見かけた。Yahooでは6/1付けであったが、元の産経新聞記事は5/25付けとなっていた(こちら参照)。 「一無、二少、三多」とは日本生活習慣病予防協会理事長、池田義雄氏の提唱する健康習慣であり、
和田高士・慈恵医大教授が7年間、人間ドックを受けた約9500人を追跡調査した結果によれば、この「一無、二少、三多」は、ブレスロー氏が提唱した「7つの健康習慣」や森本氏が日本人を対象にストレスを加えて新たに提唱した「8つの健康習慣」と比較して最少の内容で最大の効果を上げる効果が確認されたというような内容の記事であった。 記事から読み取った範囲で言えば、ブレスロー氏の健康習慣の中の「定期的に激しい運動をする」ことや「飲酒量は4本以下まで」は必ずしも日本人には当てはまらない可能性がある。また森本氏の「睡眠時間7〜8時間」という規定は必ずしも妥当ではないという。 こちらに掲載されていた棒グラフ(見出しは「プレスロー氏の健康習慣(7項目)」となっているが、グラフ自体はブレスロー氏、森本氏、池田氏が提唱する健康習慣の比較) を見ると、男性の場合、ブレスロー氏や森本氏が提唱する「健康習慣」を熱心に実践したとしても7年目のメタボ発症率にはそれほどの差は無く、「少実践」者でも「多実践」者でも、7年後には2割前後がメタボを発症していることが読み取れる。いっぽう、「一無、二少、三多」では「少実践」者でメタボ発症率24%であったところが、「多実践」者は14.8%に改善しており、とりあえず有効性が裏付けられていると言えよう。なお、女性の場合はもともとメタボ発症率が少ないが、棒グラフから読み取れる範囲で言えば、ブレスロー氏の「健康習慣」もしくは「一無、二少、三多」の多実践例で顕著な改善が認められるようだ。 棒グラフに詳しい説明がないのであくまで推測ということになるが、一般論として、誰でも簡単にできる項目が多い「健康習慣」は、結果的に「多実践」者の比率が多くなるはずである。逆に、難易度の高い習慣であればあるほど、「少実践」者ばかりになってしまう。但し、そのことを勘案しても、提唱される「健康習慣」が有効である場合には、「多実践」者において発症比率が低下するであろうということが言える。何も改善が見られなければ、単にムダな努力を続けたり、不必要に辛抱・我慢をしていただけということになってしまう。 もっとも、メタボの症状が現れ始めたために、難易度の高い健康習慣を必死になって実践しようとしている人も居るかもしれない。この場合は、「多実践」者でありながらメタボ発症者という比率が高くなることもありうる。例えばプレスロー氏の健康習慣の「多実践」者では、本来は4割がメタボ発症するはずであったところが、「多実践」の成果により2割前後まで改善が見られているという可能性があるかもしれない。 ま、それはそれとして、健康習慣というのは、言われているほどには効果が無いという可能性もある。にもかかわらず、多くの人が「正しい習慣である」と信じてしまうのは、おそらく、常識とされている内容がたくさん含まれているためであろう。というか、健康を害している人は、それらの習慣に反して暴飲暴食をしたり、慢性的な睡眠不足であったり、無理をしすぎたりしている。要するに、健康習慣は意図的に実践すべきものというよりは、それを破らないように気をつけましょうという程度のものかもしれない。 ちなみに私自身について「一無、二少、三多」を点検してみると、食事量が多いことを除けば、あとは大体当てはまっていると言える。食べ過ぎが体重増加、体脂肪増加の主要な原因であることは間違いないのだが、なかなか改善しない。お酒は、1日1本どころか、1年に数本程度。「多接」に関しては、趣味は多いが、人と接することに関しては面倒で時間の無駄であると思うことが多い。 |