じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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ごみステーション、カラスよけのネットで覆われる 定点観察をしている岡山市・津島福居バス停付近のごみステーションには、収集日(6月11日)の朝に50羽前後のカラスが飛来し、6月3日の再来かと思わせたが、その後町内会の方?がカラスよけのネットを取り付け、被害は最小限に食い止められた模様。もっともこのネットは、カラスよけにはなっても不法投棄防止には役立たないと思われる。6月12日以降に不法行為を観察していきたい。 |
【思ったこと】 _80611(木)[心理]ゴミの不法投棄はなぜ起こるか(4) 昨日の続き。今回は、
上記2.のような個体差は、一般には、「性格の違い」、「意識の違い」、「自覚の程度」、「知識の程度」などによって説明される。例えば、「協調的な性格」の人のよりも「非協調的な性格」の人のほうが不法投棄が多いという証拠が得られれば、少なくとも部分的には性格の違いが反映していると言える。また、「規範意識」や「環境配慮意識」などの尺度を使って相関を調べれば、「○○という意識が低い人は不法投棄が起こりやすい」という説明ができる(←但し、不法投棄の有無自体が質問項目に含まれていればトートロジーに陥る恐れあり)。さらに、不法投棄の実態や被害の本質について自覚したり知識を持っている人のほうが不法投棄をしないということであれば、自覚や知識の程度が違いをもたらしていると言うこともできるだろう。 しかし、いま上に挙げたようなスタイルの研究では、「納得を与えるような解釈」はできたとしても、3.の提言に発展させることには限界がある。また、実際の行動は、行動の種類、それが起こる状況や文脈によっても大きく異なるものであり、例えば、日頃から規律を大切にしている人が喫煙には無頓着で平気で吸い殻のポイ捨てをするということもある。家の中や学校の敷地内では決してごみを捨てないのに、通学路ではジュースやファーストフード包装紙などを平気でまき散らす生徒も居る。 ではどうすれば、3.に結びつくような生産的な分析ができるのだろうか。この問題はやはり、行動分析学で言うところの「ルール支配行動」の理論を応用するほかはあるまい、というのが私の考えである。 次回に続く。 |