【ちょっと思ったこと】
学生募集要項に出現する「者」、「もの」、「方」
大学のWebサイトでは最近、受験生のことを「受験生へ」ではなく「受験生の方へ」というように丁寧に呼ぶことが多くなってきた。ところが、学生募集要項では「○○の方」のほかに「○○の者」や「○○のもの」というように「者」や「もの」が混在しており、不統一であるという印象を受けている。
私のところの昨年度の書類の中からいくつか例を挙げてみると、
- 本学の一般選抜に出願できる者は,次の各号のいずれかに該当する者です。
- 外国において,学校教育における12年の課程を修了した者及び平成21年3月31日までに修了見
込みの者又はこれらに準ずる者で文部科学大臣の指定したもの
- 専修学校の高等課程(修業年限が3年以上であることその他の文部科学大臣が定める基準を満たすも
のに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以後に修了した者及び平成
21年3月修了見込みの者
- 本学において,個別の入学資格審査により,高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた
者で,18歳に達したもの
- 次の申請資格に該当すると認められる方に対しては,本人の申請に基づき,選考の上,予算の範囲内で入学
料の全額又は半額を免除する制度,及び選考の上,入学料の納付を猶予する制度がありますので,希望する方
は次の要領により申請してください。
先日、某会議で、こうした不統一は何とかならないものか、すべて「方」ではダメなのかと質問してみたが、じつは、これらの表現には一貫した方針があるということを教えてもらった。
厳格な基準について専門的なことは分からないが、要するに、
- 法令や親規定に基づく記載項目については「者」または「もの」
- それ以外では、丁寧表現として「方」
ということであるらしい。さらに「者」と「もの」については、どうやら
- 該当する個人1名について言及する場合は「者」
- 何かの範囲があって、その中で特定基準を満たしていることについて言及する場合は「もの」
という区別がなされているようであった。
ま、そうは言っても、私費外国人の選抜で
スイス民法典に基づく財団法人である国際バカロレア事務局が授与する国際バカロレア資格を
有する者で,平成21年3月31日までに18歳に達するもの
ドイツ連邦共和国の各州において大学入学資格として認められているアビトゥア資格を有する
者で,平成21年3月31日までに18歳に達するもの
フランス共和国において大学入学資格として認められているバカロレア資格を有する者で,平
成21年3月31日までに18歳に達するもの
などと書かれているのを見た外国人受験生が、「者」と「もの」の違いは正確に理解できているかどうかは不明。
なお、これまで「○○方式選抜」とか「推薦に基づく選抜」というようにマチマチな表現であった呼称は、今後はすべて「○○入試」というように「入試」で統一されることになった。例えば、「推薦に基づく選抜」は、単純明快に「推薦入試」と呼ばれることになる。
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