じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 大学構内各所でヤマモモの実を見かけるようになった。以前、道の駅で売っていた実を生で食べたことがあるが、それほど甘くはなかった。そのせいか、ここのヤマモモの実を食べる野鳥も限られているようである。



6月28日(日)

【思ったこと】
_90628(日)[心理]熱中と離脱のスパイラル(2)

 昨日の続き。

 一般に、何かの現象が発生し、かなりの規模に発達し、一定期間その規模を持続するという場合には、
  1. 発生するきっかけ
  2. 発達する条件
  3. 発達をささえる力
という3要素を考える必要がある。これらは相互に関連する場合もあれば、殆ど無関係という場合もある。このことは台風の発生と発達のメカニズムを例にして考えると分かりやすい。

 ウィキペディアの当該項目にも記されているように、台風(熱帯低気圧)の発生のメカニズムと、その熱帯低気圧が台風に発達する条件、さらに発達をささえる力は同一ではない。台風というと竜巻のような渦が発達したものを思われがちであるが、どうやら「初めに渦ありき」ではなさそうだ。デジタル台風経由で気象衛星画像(地球)を眺めていると、この時期、赤道よりやや北の太平洋上では、大きな雲のかたまりがいくつも発生し、発達・移動・消滅している。それらは渦を巻くように移動しているが、その状態から直ちに台風(熱帯低気圧)に発達するわけではない。ウィキペディアから要約・引用すると、
  1. 赤道で上昇して北上(南下)した空気が上空に滞留して下降し、「亜熱帯高圧帯」が形成される。
  2. 北太平洋高気圧もその例であるが、これらの高気圧から赤道方向に向けて吹き出した風はコリオリの力を受けて恒常的な東風になる。これが偏東風で、この風の流れの中にうねり(波動)ができると渦度が生じ、熱帯低気圧となる。
  3. ただし、そうして発生した波動の多くは発達せずにつぶれてしまう。
  4. 1万メートル以上の上層に高気圧を伴う場合には高気圧の循環による上昇気流の強化により台風に発達すると思われる。
  5. また海水の温度が26度以上であることも重要な条件であり、高温の海面から蒸発する水蒸気が放出する潜熱が原動力になっている。
上記の1.〜3.は台風(熱帯低気圧)の発生のきっかけ、4.〜5.は発達する条件ということができる。さらに、そうして発生した台風の発達をささえる力は、
  • 台風の原動力は凝結に伴って発生する熱である。
  • 上昇流に伴って空気中の水蒸気は凝結し、熱(潜熱)を放出する。軽くなった空気は上昇する。すると地上付近では周囲から湿った空気が中心に向かい上昇し、さらに熱を放出しエネルギーを与える。
  • このような条件を満たすときに台風は発達する。このような対流雲の発達の仕方をシスク(CISK、第二種の条件付不安定)という。
というようにウィキペディアでは解説されている。

 ある行動に熱中するスパイラルというのもこれと似ていて、行動を始めるきっかけと、その行動にハマル条件、さらに、熱中という状態を持続させる力は必ずしも同一ではない。

 次回に続く。