じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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§§ 2009年版・岡山大学構内のキノコ(2)月夜のオオシロカラカサタケとその翌朝

 昨日の日記と同じ場所で撮影した月夜の「オオシロカラカサタケ」。昨日7月6日朝の時点では4〜5本しか確認できなかったが、その後、菌輪(但し半円状)がはっきりと分かるようににょきにょきと生えてきた。写真下は7月7日朝の様子(菌輪の一部。その左下から右上方向が写真上のアングル)。


7月6日(月)

【思ったこと】
_90706(月)[心理]お金と消費と広告の心理学(3)

 昨日の日記で、本来、お金というのは、
  • 他のことをしたいと思っている他人に
  • あえて一定の時間を割いて
  • 自分や自分の属する集団のために
  • 行動してもらう
という「使役」の力があるから価値があるのであって、それ以上でもそれ以下でもないと書いた。但し、これは、お金そのものの価値であって、お金で買ったモノの価値ではない。

 では、モノの価値とは何か? 大ざっぱに言えば、これは、行動分析学の基本概念である好子(コウシ)としての強化力に比例していると言える。あるオペラント行動の直後にAというモノ(刺激、出来事、条件を含む)が出現し、そのことによって当該行動が増加していくのであれば、それは「価値があるモノ」と呼ぶことができる。より強化力の高いモノであればあるほど大きい価値を持っているとも言える。但し、好子の強化力というのは、行動が起こる文脈や状況、確立操作、さらに、中長期的な「入れ子構造」によっても規定されるので、価値の大きさを絶対量として測ることはできない。

 一般に「使用価値」と呼ばれる価値は、
  1. そのモノから得られる刺激の総量(食べ物であれば味覚、満腹感、栄養的価値など)
  2. そのモノがオペランダムとして活用される際に、新たに実現される行動機会の量と質
  3. そのモノを所有することによって獲得する社会的好子(例えば宝石を身につけることによって得られる賞賛、羨望、地位確保など)
によって規定されている。「所有」というのは、他者から邪魔されることなく、そのモノの使用価値を享受することである。

 モノ自体の使用価値と、商品としての価値(お金で評価される価値)は同一ではない。自分で作った家具を自分で使用している場合、その家具は商品ではないが、使用価値を持っている。




 「使用価値」とは別に「交換価値」という概念がある。時たま起こる経済危機は、交換価値と使用価値の乖離に主要な原因があるとも言われている。

 「交換」のしくみがルール化されると、使役機能や使用価値から乖離したマネーゲーム的な投資、あるいは投機が行われるようになる。それらに参加する人は、モノは何も生産しないし、誰かのためにサービスを提供しているわけでもない。但し、基本はゼロ和ゲームなので、誰かが得をすれば別の人は損をする。時には莫大な資産を形成できるかもしれないが、何かが起こればまさに泡のようにはじけ飛んでしまう。

 次回に続く。