じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



07月のインデックスへ戻る
最新版へ戻る
§§
 大雨で濁る座主川。

 梅雨前線が停滞している中国地方では断続的に強い雨が降り、7月21日午前6時現在の72時間積算雨量は、松江市で124.5ミリ、広島市で123.5ミリとなっている。岡山市は今のところ46.5ミリと他所よりは少なめであるが、県北部の大雨の影響で、旭川からの用水である座主川の水が濁るようになった。


7月20日(月)

【ちょっと思ったこと】

千葉団地殺人事件の傍観者効果?

 各種報道によれば、17月18日午前9時20分ごろ、千葉市花見川区の団地の踊り場で、この団地に住む61歳の女性が血を流して倒れているのを住人が見つけ、110番したが、まもなく死亡が確認された。また、事件発生直後には現場の団地駐車場で次女が男に車で連れ去られていく姿が目撃されており、千葉北署は20日、殺人と逮捕監禁容疑で、元交際相手の男(28)を指名手配し、次女についても名前と顔写真を公開した。7月21日朝の時点では、これ以上の進展はない。

 この事件で私が疑問に思ったのは、いくつかの記事に
  • 7月18日23時37分配信 産経新聞:洗濯物を干していた60代の無職女性は、午前9時20分ごろ、若い男が女性を羽交い締めにし、引きずるようにゆっくりと団地内の駐車場方向に歩いていくのを見かけた。2人の周囲には数人の男が立ち、手を振っていたという。女性に抵抗する様子はなく、声も出していなかったことから、女性は「友達同士がふざけあっているのかな」と、特に不審には感じなかったという。
  • 7月19日毎日新聞地方版
    • 豊田さんが遺体で見つかった棟の向かいの棟では、多数の住民がベランダから事件発生時の様子を目撃していた。「助けて。まだ生きてます。110番お願い」という女性の悲痛な叫び声が響き渡ったという。
    • ベランダで洗濯物を干していたという女性(71)によると、ドアをどんどんとたたく音と、男性の怒鳴り声が約10分にわたって聞こえたという。
    • 夫との2人暮らしの女性(70)は「朝食を食べていた時『助けて』という大声が響いた。夫婦げんかかと思っていた」と、事件に驚いた様子だった。
というような目撃証言が記されていることであった。このうち何人の住人が110番通報したのだろうか。それとも、みな、「関わり合いになるのはゴメンだ」、「110番通報すると、たいした事件でなかった時に怒られる」、「どうせ夫婦げんかだろう」、「誰かが電話するだろう」というような理由で、ほったらかしにしてしまったのだろうか。

 このことで思い浮かぶのが、社会心理学の入門書などにもしばしば紹介されている「傍観者効果」である。ウィキペディアの当該項目にも記されているように、かつて、キティ・ジェノヴィーズ事件というのがニューヨークであった。この事件では、深夜に自宅アパート前で暴漢に襲われたキティ・ジェノヴィーズさんが何度も叫び声をあげ、付近の住民38人が事件に気づき目撃していたにも関わらず、誰一人警察に通報せず助けにも入らなかったという。

 今回の千葉の事件では、容疑者の速やかな逮捕と次女の救出が最重要課題ではあるが、これに加えて、団地内の住民がどのような行動をとったのか、しっかり検証する必要があると思う。もし「傍観者効果」が働いていたとするなら、今後そのようなことが起こらないためにどういう防犯体制をとるべきかを真剣に検討するべきである。