じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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2010年版・岡山大学構内でお花見(1)朝日を浴びる菜の花。
今年の「大学構内のお花見シリーズ」の第一弾は、本部棟の建物脇の花壇で見かけた菜の花。切り花としても利用しているようだ。 |
【思ったこと】 _a0121(木)[心理]2009年度版・卒論執筆の手引き(10)総合考察の留意点/まとめ 研究が完成してから投稿する学術雑誌論文と異なり、卒業論文は締切厳守という制約で執筆・提出されるため、総合考察はどうしても不完全で暫定的なものになりやすい。しかしそうであっても、目的に対応させてなにかしら結論は導き出せるはずである。まずはポジティブな視点で、研究により分かったことを強調するべきである。 毎年ありがちな「考察」として、「本研究では、○○と××に有意差は見られず仮説は支持されなかった」などと、いきなり失敗の原因をあれこれと述べているものがあるが、考察は反省文ではない。まずは分かったことをしっかり述べた上で、当該研究独自の問題点があればその後から検討を加えるべきである。 このほか、有意差が見られなかった理由として「もっと被験者(あるいは調査対象者)を増やせば、有意差が見られたかもしれない」などと記されている場合があるがこれもいただけない。「もっと被験者を増やせば」と述べているヒマがあるならば、被験者を増やすことに務めればいいはずである。それと、サンプル数を増やせば有意差が得られると過剰に期待するのは問題だ。明白な差があるような場合は、サンプルが少なくても顕著な差が出ているはず。散布図などを描いてみて何の傾向も見出せそうにない場合には、サンプル数のせいにするべきではない。 最後に引用文献表であるが、締切ぎりぎりで慌ただしく作成すると、文献リストに漏れがあったり、逆に、本文のどこにも引用していない文献が紛れ込んだりすることがあるので注意が必要である。 文献表の形式については『心理学研究』誌やAPAのマニュアルに従うことが望ましい。訳書や編著書、事典項目などの引用のしかたについてもマニュアルを参照してほしい。 なお、引用文献表に加えて「参考文献表」なるものを付け加える人がいるが、私個人は全く評価しない。何かしら参考にするというなら、大学入学以来に学んだすべての専門書が参考文献になってしまう。いっぽう、当該論文を書くにあたって相当程度参考にしたというのであれば、具体的に引用した上で引用文献表に加えるべきである。 |