じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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2010年版・岡山大学構内でお花見(11)開花目前のハクモクレン 3月11日の岡山は、最低気温は1.0℃という真冬並みの寒さになったが、日中はぐんぐんと暖かさを増し、11.2℃まで上がった。 写真は、本部棟近くにある開花目前のハクモクレン。 |
【小さな話題】 トキを殺したテンを責めてはいけない 各種報道によれば、9月の3次放鳥に向けて訓練中だった国の特別天然記念物トキ11羽が訓練施設の「順化ケージ」内でテンと見られる動物に襲われ、9羽が死亡、1羽が瀕死の状態にあるという。 大事に飼われていたトキをこのような形で虐殺するテンはまことにケシカラン、見つけ次第即刻射殺してしまえと思いたくなるところだが、野生の世界ではこういうこともありうる。テンを怨んではいけない。 アサヒコムの記事によれば、イタチやテンは、動物を殺す際、まず動くものに反応して一通り殺した後、必要なものを食べる習性があるという。別段、凶暴残虐な動物というわけではなくて、そういう形で捕食し、この世界に適応しているのであろう。自然界ではそれでちゃんと食物連鎖が成り立ち、喰う者と喰われる者のバランスが成り立つ。 そもそも日本産のトキが絶滅したのはテンの仕業ではない。乱獲や開発がトキの生活の場を奪ったことが最大の原因である。責められるのはテンではなくあくまで人間である。 |
【思ったこと】 _a0311(木)[心理]タダでもうける?! “無料ビジネス”の舞台裏(1) 3月10日放送のNHKクローズアップ現代 タダでもうける?!“無料ビジネス”の舞台裏 という番組をDVDに録画して視聴した。 リンク先の記録サイトに記されているように、インターネットの世界を中心に、"無料ビジネス"が急速に広がっており、いったいどのように採算が取れているか、利用者には分かりづらくなっているところがある。 じっさい私自身も、Eメイルの1つとして無料のwebメイルを利用しているし、検索はもっぱらGoogle、雑学的知識はもっぱらウィキペディア、さらに、時刻表、テレビ番組、気象情報、地図情報など、あらゆる面で無料サービスを利用している。これらがすべて有料になってしまったら、さぞかし不便で窮屈な生活になることだろう。 さて、番組では、無料ビジネスの背景には 最新の経済学が明らかにした人々の判断力さえ惑わす無料がもつ強烈な魅力 があるとして、アリエリー教授ほかによる Kristina Shampanier, Nina Mazar, Dan Ariely (2007). Zero as a Special Price: The True Value of Free Products. MARKETING SCIENCE, 26(5),742-757. という論文が紹介されていたが、うーむ、どうかなあ、ゼロという価格に特別な効果があることを強調する点では意味があるとは思うが、このことと、無料ビジネスから巨額の富が生まれるカラクリを明らかにすることとは全く別次元の話題である。前者に関しては、アリエリー教授の実験を待つまでもなく、「有料よりタダのほうが参加者が集まりやすい」という経験的事実に立脚するだけでも済むような気がする【ちなみに上述の論文はこちらから講読できるが、無料では閲覧できない。】 アリエリー教授の実験としてはもう1つ、“無報酬”が支える新ビジネスに関連して Effort for Payment A Tale of Two Markets という論文が紹介されていたが【この論文のほうは、こちらから無料で閲覧できる】、商品の価格が無料であることの魅力と、“人は無報酬の方がすすんで働くことがある”という心理は、全く別次元の問題であって、両者をコミにして統一的に解説しようとすることには、番組構成上無理があったと思わざるを得なかった。 次回に続く。 |