じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 各種報道によれば、アイスランド南部のエイヤフィヤトラヨークトル氷河にある火山が3月20日深夜(日本時間21日朝)に火山が噴火。現場では約1キロにわたって溶岩が流れ、複数の自治体で非常事態宣言が出されたという。

アイスランドには2年前の3月に訪れたことがあった。レイキャビクからロンドンに向かう帰りの飛行機は比較的空いており、最初は右側、シートベルト着用サインが消えてからは左側の窓席に移動した。写真いちばん上は、シートベルト着用サインが消えた直後に撮影したブルーラグーン周辺の地形。その後、島の南西端をかすめて南東方向に飛行した。断定はできないが、今回噴火した火山のあるエイヤフィヤトラヨークトル氷河は、写真の下の3枚、もしくは、飛行機の真下あたりに位置していたのではないかと推測できる。


3月22日(月)

【思ったこと】
_a0322(月)[心理]タダでもうける?!“無料ビジネス”の舞台裏(8)無報酬の方がすすんで働くことがある、と言うが...(2)

 3月19日の日記の続き。

 まず、元の番組の内容に戻るが、番組の冒頭では、
  • 無料で始められるが、一部のユーザーから料金をとることで全体として収益を確保(有料のアイテムを販売する携帯電話ゲーム、10%のユーザーに有料サービスを提供することで、無料の通話サービスを確保)。
  • インターネットの世界では技術革新によってコストが格段に低下し、無料ビジネスを展開しやすくなった。
という指摘があったことをお断りしておく。番組ではそれをふまえた上で、「無料ビジネスが広がりつつある背景には、もう1つ、最新の経済学が指摘する、人々の判断力さえ惑わす無料がもつ魅力がある、と言う人物がいます」として、行動経済学者のダン・アリエリー教授の「実験」の紹介に移ったのであった。

 この「行動経済学」に関しては、一部は心理学とも関係しているため私も(心理学関連の)文献は読んだことがあった。アンテナ経由で拝読している某専門家によれば、行動経済学の解説書ではしばしば、カーネマンとトベルスキーが行った主観的確率判断等に関する実験に言及し、「日常生活でもこんな不思議なことがあるのだ」と面白がらせるタイプが少なくないらしいという。そのかたが『行動経済学』に関して書かれた書評では、
...人間の複雑な行動が古典力学のように単純な理論で説明できるはずがないし、実験によって日常の行動が再現できるわけでもない。そもそも人間の意思決定が「価値関数」のような数値として表現されるという発想が、人間を「快楽を最大化するロボット」と考える功利主義の変種である。人間を本質的に理解するには、認識論レベルから見直す「パラダイム転換」が必要なのではなかろうか。
と結んでおられる。この批判は、スキナーが創始した行動分析学も同様に向けられてしかりではないかと思う。だからこそ、行動随伴性は、単線的ではなく複合的に、かつ長期的な視点で捉えていく必要があるのだと、私自身は思っている。

 次回に続く。