じぶん更新日記

1997年5月6日開設
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新緑のイチョウと遅霜。

大学構内ではすでにイチョウの雄花が半分ぐらい散って新緑の美しい季節となっているが、そのいっぽう、早朝は相当に冷え込み、車のフロントグラスにうっすらと霜がついていた。ちなみに、岡山市の25日の最低気温は4.3℃。気象台の公式記録が5℃を下回ると、場所によって霜が降りるようだ。ちなみに岡山県北部の気温は氷点下まで下がり、千屋ではマイナス3.1℃(午前6時)、新見がマイナス1.1℃(午前5時)、津山でもマイナス0.5℃を記録した。


4月25日(日)

【思ったこと】
_a0425(日)[教育]入試の合否入れ替わり率

 大学入試に関連して時たま「合否入れ替わり率」という言葉を耳にすることがある。通常これは、センター試験の得点と個別学力試験の得点に関して分析されるものであり、
  • 1次入れ替わり率:個別試験のみで順位をつけた場合には不合格になった者が、センター試験の得点が加わったことで合格した人の合格者全体に対する比率。
  • 2次入れ替わり率:センター試験得点のみで順位をつけた場合には不合格になった者が、個別試験の得点が加わったことで合格した人の合格者全体に対する比率。
などと説明されている。

 この話を初めて聞いた時には、この2つの率の関係がイマイチ理解できなかった。その後、ネットを通じていろいろ調べてみると、一般的に、1次試験(大学入試で言えばセンター試験)と2次試験(同じく、個別学力試験)という2種類の試験があって、その合計得点で合否を決める場合は、
  • a : どちらの試験でも合格点に達していないのに、総合成績により合格した群。幸運群。
  • b : 1次試験の成績の優位さを武器に合格した群。逃切り群。
  • c : どちらの試験でも合格点に達しており、かつ、総合成績でも合格した群。先頭群。
  • d : 2次試験の成績の優位さを武器に合格した群。逆転群。
という4つのタイプの合格者があり、
  • 1次入れ替わり率 = {[a+b]領域の人数}/{[a+b+c+d]領域の人数}
  • 2次入れ替わり率 = {[a+d]領域の人数}/{[a+b+c+d]領域の人数}
として計算できるということが理解できた(こちらからの要約引用。但し、リンク先の出典不明。図は表示されない。)

 例えば、上記で「a」という群が存在するのは不思議な気がするが、2種類の試験の得点に極端な負の相関があり、1次試験で80点を取った人の2次試験の点数は20点、2次試験で80点を取った人の1次の点数が20点であったとすると、1次2次ともそれぞれが55点ずつであった人のほうが合計得点は高くなる。上記では「幸運群」と呼ばれているが、別段「幸運」というわけでもなんでもなくて、「まんべんなくそこそこの点をとれる」という「安定確実群」と見なすこともできる。

 また、上記a〜dの裏には、4通りの不合格群が存在する。すなわち、
  • e : どちらの試験でも合格点に達しておらず、総合成績でも不合格になってしまった群。完敗群。
  • f : 1次試験の成績だけなら合格できたが、2次試験が悪くて不合格になった群。先行バテ型群。
  • g : どちらの試験でも合格点に達しているのに、総合成績では不合格になってしまった群。秀でていない群。
  • h : 2次試験の成績だけなら合格できたが、1次試験との合計では及ばず不合格になった群。挽回失敗群。
 もっとも、1次と2次をそれぞれセンター試験と個別学力試験に当てはめた場合は、センター試験の成績がふるわなかった者は志望先を変えてしまうことが多い。1次と2次の合計で合否を決めるという場合と、数学と国語の合計点で合否を決めるという場合では、得点分布に違いが出てくるものと思われる。

 このほか、共分散比も重要な指標になる。もっとも、受験生全体についての共分散比と、合格者に限定した得点の共分散比では傾向が異なってくるかもしれない。例えば、難関校の場合、合格者は殆どが満点でバラツキが少ないが、受験生全体では、特定試験や科目のバラツキが著しいというケースはあると思う。