じぶん更新日記1997年5月6日開設Copyright(C)長谷川芳典 |
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人間・植物関係学会 10周年記念大会の会場となった、感謝・共生の館。これまで35年以上にわたっていろいろな学会の年次大会に参加してきたが、こういう神聖な場所が会場となったのは初めてであった。なお、この会場自体はいろいろな研修に活用されている。来週の土曜日(5/29)には、◆いのちと心の講座D厠を拝む −トイレの信仰と歴史−という興味深い講座もある。遠方在住で申し込めないのが残念。 |
【思ったこと】 _a0524(月)[心理]2010年 人間・植物関係学会 10周年記念大会(2)花山院宮司の基調講演 大会の初日(5/22)は、
最初は、大会会場となった春日大社の宮司である花山院(かさんのいん)氏による、 千古の杜にに息づく春日の信仰 という基調講演であった。 春日大社については先月、 「神々の森へのいざない 春日大社 悠久の杜(もり)」 という番組が放送されており、事前にそのDVDを視て予習をしてあったので、講演の概要はほぼ理解できた。 さて、千古の昔からの信仰と植物とは深い関わりがあった。宗教施設は古来より森の中に建っていることが大切であると考えられ、1112年の中右記の中でも、「御塔地形、不伐樹木可立塔婆之所々點三四所注付指図」(境内でいちばん木を切らなくて済むところに塔を建てた)というような記載があるという。このほか、社殿の建設にあたって、木の根を切らないように配慮したために段が高くなったとか、樹齢五百年以上の槙柏が直会殿の屋根を貫いているなど、さまざまなところで樹木が大切に扱われてきたという。 樹木の中でも宗教的に大事にされてきたのは、御神木としての榊、竹柏(なぎ)、松の三種であるという。 このうち榊については、神鹿が神鏡をかけた榊を負う図柄の鹿曼荼羅などが知られている。この鹿曼荼羅の図は、なんとなく、チベットのお寺の屋根にある金色臥鹿(こちらのアルバムの9番の写真や、こちらの記事参照)に非常によく似ているように見えたが、共通のルーツがあるのかどうかは不明。 2番目の竹柏(なぎ)は、針葉樹であるが広葉樹のような葉型であるという特徴がある。鹿が食べないため、世界でも珍しい純林になっているという。要するに、人間と鹿が共生する森になっているということである。 3番目の松はさまざまな宗教行事に使われている。そういえば、能舞台の背景に描かれている松も、もともとは、春日大社に由来しているようだ。ネットで調べたところ、こちらに、 鏡板に描かれた松は、能舞台の永遠の背景としてある「老松(おいまつ)」です。これは、もともと、奈良の春日大社の「影向(ようごう)の松」と呼ばれていた実在する松を模したものが始まりといわれています。この背景は、演目によって変わることがなく、どのような曲であろうとも、松の背景で演じられます。という説明があった。 ところで、今回お世話になった春日大社は、もともとは、「春日大神社」とか「春日社」と呼ばれており、現在の「春日大社」は、昭和21年、宗教法人法に基いて改称された名称であるという。御本殿は4棟からなり、
次回に続く。 |