じぶん更新日記

1997年5月6日開設
Copyright(C)長谷川芳典



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 日曜日の午後は、夫婦で近くの山まで小梅を収穫に行ってきた。プロが育てている梅だけあって、1本の樹が横向きに長く枝を伸ばし、たくさんの実をつけていた。しかも、どの実も、手を伸ばすだけで採れる高さにあった。



5月30日(日)

【思ったこと】
_a0530(日)[心理]2010年 人間・植物関係学会 10周年記念大会(7)大会2日目(1)ポスター発表

 大会2日目は朝からポスター発表が1時間行われ、その後、松尾英輔氏(人間植物関係学会前会長)と、高江洲義英氏(沖縄・いずみ病院理事長)による講演、さらに総会と萬葉植物園散策が行われた。

 今回の大会では、口頭発表は行われず、ポスター発表のみ16件が展示された。ちなみに、私自身が実行委員長をつとめた2006年岡山大会の時には、プログラム印刷段階(事後の取り消し分を含む)で、口頭発表は24件、ポスター発表20件があり、またその後の年次大会に比べても、今回は発表件数がかなり減ってしまっている。その1つの理由は、日本園芸療法学会が2008年に設立され、従来は人間・植物関係学会のほうで発表されていた園芸療法系の実験研究や実践報告の一部が、そちらの学会のほうで発表されるようになったことにあるのではないかと思われる。

 ということもあり、16件は
  • 園芸療法系
  • 伝統・文化
  • アノマテラピ−
  • 農作業体験
  • 高齢者福祉、特別支援
  • 自然との関わり
といった内容になっていた(一部、上記の複数に当てはまるものあり)。

 ちなみに、この学会では森林療法系の発表は従来より殆ど見られない。「森林セラピー」という名称が登録商標となっており、学術交流よりも、検定制度の充実等により普及をめざしていることが一因になっているようにも思える。また、園芸療法分野でも、日本園芸福祉普及協会のようなNOP法人等が大規模な活動を続けており、かならずしも日本園芸療法学会だけがセンターとしての役割を果たしているわけでもないことに留意する必要がある。

 要するに、園芸活動や森林散策は、学術研究成果といった特段のお墨付きが無くてもそれ自体が多くの人々の楽しみや生きがいとなっており、少なくとも、普及や交流を目的とする限りには、学会組織は必ずしも必要ないというのが多くの関係者の共通意識であろう。それに対して、単なる経験交流だけではダメだ、さまざまの研究領域の手法を駆使して、学問としての人間・植物関係学を体系化していく必要があるというのが、本学会の趣旨でもあったはずである。このあたりのことは、松尾・前会長の講演の中でも強調されていた。

次回に続く。